展示会で動画を活かす方法|来場者を引き止める役割設計と業種別事例

来場者がブースの前を通過する時間は、わずか3〜5秒ほどと言われています。その短い接点のなかで立ち止まってもらうために、多くのBtoB企業がブース内に動画を導入しているのが現状です。とはいえ、「とりあえず動画を流す」というだけでは、設備代と再生回数だけが残ってしまうことも珍しくありません。

本記事では、展示会で動画を活かすための役割設計、業種別の活用事例、ブース構成での見せ方、そして2026年の制作費用相場までを、最新のデータと自社の事例を交えながら整理しました。


BtoB展示会で動画が「必要装備」になった理由

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BtoB企業のマーケティング施策トップ3。展示会が52.3%でトップ(IT Communications 2025)

BtoB企業がマーケティング施策の優先順位を考えるとき、最初に挙がるものは何でしょうか。近年の調査結果を見ると、「展示会」が常に上位に並んでいることがわかります。

2025年10月に株式会社ITコミュニケーションズが実施したBtoBマーケティング施策実態調査(回答237名)では、回答企業の52.3%が「実施しているマーケティング施策」のトップに展示会を挙げています。また、株式会社ラクスが3期以上連続で増益のBtoB企業を対象に実施した調査(2024年9〜10月、回答100名)では、売上高100億円以上の企業の予算配分1位が「展示会」で、76.8%にのぼっています。リード獲得の場として、展示会はオンライン施策よりも先に名前が挙がる存在になっているのです。

会場側のデータも、対面イベントの回復を示しています。一般社団法人日本イベント産業振興協会が2024年6月に発表した「2023年 イベント産業規模推計」によれば、2023年の展示会産業は前年比112.5%、2019年比86.5%まで回復したとのこと。4年ぶりに開催されたジャパンモビリティショーをはじめ、コロナ禍で停止していた大規模展示会の復活が相次いだ年でもありました。

こうした流れの中で進んでいるのが、ブース内での動画活用です。来場者がブースの前を通過する時間はわずか3〜5秒と言われており、その短い接点で「立ち止まってもらう」「要点を伝える」という役割を果たすために、競合ブースが一斉に動画を導入してきている、というのが現状です。自社だけがパネルやパンフレットだけの静的な展示物にとどまっていると、「準備不足」に見えてしまう場面が増えてきているようにも思います。

もっとも、流せば成果が出るほど単純な話でもありません。本記事では、来場者の視線がブース動画にどう向かうのかを整理したうえで、役割設計・業種別の事例・ブース構成・費用相場までを順に解説していきます。


来場者がブースで動画を見るまでの3〜5秒

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3〜5秒の3段階。動画は「視線を留める」中間段階を担う

来場者がブースの前を通過する時間は、先ほど触れた通り、一般的に3〜5秒と言われています。歩く速度や通路の幅にもよりますが、この短い時間のあいだに「視野に入って/視線を留めて/立ち止まらせる」という3段階を通過させる必要があるのです。

最初の1秒で起きているのは、「視野に入ったかどうか」です。通路を歩く来場者の視線は、前方の人混みや隣のブースの様子など、複数の方向に向いています。視野に入ったとしても「自分に関係のある情報」と認識されなければ、足は止まりません。

次の2〜3秒で、「視線を留めるかどうか」が決まります。動画が役に立つのはこの段階で、動きや色のコントラストが静止画よりも明確なため、視野の周辺にあっても注意を引きやすいという特性があります。ただし、「動画があるから止まる」というよりは、「自分の業務に関係しそう」「自社の課題を扱っている」と思わせるキーワードや映像が画面に映っていることが、立ち止まる条件になります。

最後の数秒で、「立ち止まる」「通り過ぎる」が分岐します。立ち止まった来場者はブース内のスタッフや製品に視線を移し、ここから先は対面の接客フェーズに入っていきます。

競合ブースが一斉に動画を流している会場では、「動画があるから見てもらえる」という前提も成り立たなくなってきています。実際には、動画を流していても、内容が抽象的すぎたり、自社製品の特長を10分間まんべんなく伝える構成だったりすると、視線は止まらず通過されてしまうこともあります。動画は「視野に入る」「視線を留める」「立ち止まらせる」のうち、中間の2段階を担うツールだと考えるとよいかもしれません。役割を1つに絞り込んでおくことで、はじめて短い接点のなかで動画が動いてくれるのです。


展示会動画の3つの役割(集客・案内・説明)

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展示会動画の3つの役割。尺・設置位置・動画タイプは役割ごとに変わる

展示会で動画を活かすうえで最初に決めるのは、「この動画は何の役に立つのか」ということになります。役割を1つに絞らないと、来場者が3〜5秒で受け取れるメッセージが曖昧になりがちです。展示会動画の役割は大きく3つに整理することができます。「集客」「案内」「説明」の3つです。


集客:通路で足を止めてもらう動画

ブースの正面や通路側に設置する動画で、目的は通り過ぎようとしている来場者の足を止めることです。短尺(10〜30秒のループ)で、音声よりも視覚情報を優先します。色やコントラスト、大きな文字、業種に関連するキーワードを画面に出すことで、視野の周辺からでも気づいてもらえることがあります。縦型サイネージや大型モニターに設置されるケースが多く、ブースの中身を見せるよりも「ここは何の業界・何の製品を扱っているのか」を伝える役割が中心になります。


案内:ブース内の動線を整える動画

足を止めた来場者に向けた動画で、目的は興味のある領域に進んでもらうことです。30秒〜1分の中尺で、自社の提供分野やソリューションの全体像を整理して見せます。図解と短いテロップを使い、ブースの案内図のように機能させるのが基本になります。設置場所はブースの中央付近、複数の製品エリアを結ぶ位置がよく合います。「うちのブースには何があるのか」を伝える動画です。


説明:商談前の知識ベースを揃える動画

製品やサービスの前に置き、商談前の段階で来場者の理解を深める動画です。1〜3分の長尺で、製品の特長や使い方、他社との違いまでを丁寧に伝えます。タブレットや小型ディスプレイで個別に再生されることが多く、スタッフが操作を説明する横で字幕付きで補助役を担う使い方も合います。「商談前にスタッフが10分かけて説明する内容」を動画が巻き取ることで、ブース全体の応対効率が上がっていきます。


VMD理論の応用としての3層構造

「集客・案内・説明」という3つの分類は、もともとアパレル業界で発展した「VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)」という陳列・演出の考え方を、展示会動画に応用したものです。VMDではブース内の役割を、VP(ビジュアル・プレゼンテーション)/PP(ポイント・オブ・セールス・プレゼンテーション)/IP(アイテム・プレゼンテーション)の3層で設計します。

理論背景や、業種別にどの役割が機能しやすいのかという考え方については、後編記事『VMD理論で読み解く展示会動画の役割(VP/PP/IP)』であらためて詳しく解説しています。


業種別の展示会動画 活用事例(4業種)

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4業種ごとに力を入れる動画の型が異なる

業種によって、来場者のニーズも展示物のタイプも変わってきます。展示会で求められる動画の役割は同じだとしても、力を入れるべき内容と表現は業種ごとに違ってきます。ここでは、製造業、SaaS・IT、サービス・コンサル、食品の4業種を取り上げ、典型的な動画の傾向を整理してみます。


製造業:内部構造を見せる動画と工程の可視化

製造業の展示会では、目に見えにくい部分の説明が課題になります。金属加工・機械部品・精密機器のように、外観だけでは特長が伝わりにくい製品が多いためです。

このような業種で多く見られるのは、CGやアニメーションで内部構造を可視化する動画です。実機を持ち込めない大型機械でも、画面上で動作原理や加工工程を見せることができます。展示会場では「説明」の役割を担う動画として、製品の前にタブレットや中型モニターを設置するパターンがよく見られます。

足を止めてもらうフェーズでは、加工された製品のアップやスパーク・切削の瞬間など、視覚的にインパクトのある実写映像を短尺ループで流す手法も合いそうです。


SaaS・IT:課題解決型ストーリーで「使う場面」を見せる

SaaSやITサービスは形のないプロダクトのため、画面キャプチャだけでは「自社で使うとどうなるか」が想像しにくいというのが現状です。

ここで多く見られるのが、課題提示から解決までを2〜3分でまとめたストーリー型動画です。「営業現場でこんな困りごとが起きる」「このツールを導入するとこう変わる」というフローを、登場人物の動きや実際の画面操作とあわせて見せていきます。商談前の理解を揃える「説明」の役割が中心で、製品ブースの前で連続再生する使い方がよく合います。

足止め用には、サービス名と業種キーワードを大きく出した短尺ループを縦型サイネージで流す手法を併用するケースもあります。


サービス・コンサル:人と現場が見える動画で信頼感を作る

形のないサービスを扱うコンサル・人材・士業などの業種では、「誰が/どんな現場で/何をしているか」を伝えることが重要になります。

このような業種では、実写でクライアントとの打ち合わせ風景や、コンサルタントが現場で動く様子を映した動画が多く見られます。インタビュー形式で導入企業の声を組み込むパターンもあります。役割としては「案内」と「説明」の中間で、ブース内の中央付近で再生し、立ち止まった来場者にサービスの空気感を伝えていきます。

抽象的な内容にならないよう、業種別の事例ごとに別のショート動画を用意し、ブース来場者に合わせて再生するという例もあります。


食品・消費財:試食・調理シーンで五感を喚起する

食品や消費財の展示会では、来場者の食欲や生活シーンを刺激することが、そのまま集客につながっていきます。

最も多いのは、調理工程・試食シーン・パッケージを開ける瞬間などを実写で短尺ループする動画です。音声なしでも、色や湯気、シズル感(食べ物のおいしさを伝える臨場感のこと)で足が止まることがあります。役割は「集客」が中心で、ブースの前面に大型モニターや縦型サイネージで設置するのが基本です。

商品の差別化を伝える「説明」フェーズでは、原材料の産地や製造工程をミニドキュメント形式で見せる動画を製品の隣で流し、立ち止まった来場者に商談前の情報を渡していくという使い方が合います。


ブース構成で考える動画の置き方

BtoB展示会のブースに設置された縦型サイネージと来場者
ブース内に設置された縦型サイネージと来場者の動線(イメージ)

3章で整理した「集客/案内/説明」の3つの役割は、ブース内のどの位置に動画を置くかと密接に関係しています。同じ動画でも、ブースの入口に置くか奥に置くかで、果たせる役割が変わってきます。


入口層:通路に面した「集客」エリア

ブースの正面・通路側に向けたディスプレイで、通り過ぎる来場者の足を止める役割を担います。

このエリアで合うのは、大型モニター(55〜75インチ)または縦型サイネージです。横型は遠くから視認しやすく面積も広いため、奥行きのあるブースでメインビジュアルを見せるのに向きます。一方、縦型は通路の人の流れに沿って目線の高さに収まりやすく、立て看板のように通路際へ置けるという大きな特徴があります。スタンドを含めた本体重心が縦方向に伸びるため、横型のように「頭でっかち」にならず、多少サイズが大きくても安定して自立するからです。ブースの装飾やパネルが固まったあとに「動画も追加したい」となった場面でも、後付けで設置しやすいのが実務上のメリットといえます。

設置高さは、画面の中心が床から130〜160cmあたりに来るのが目安です。来場者の視線が自然に届く位置で、画面のすぐ脇に立つスタッフとも視線が衝突しにくくなります。

縦型サイネージの活用については、関連記事『ビジネス動画の長さ完全ガイド』の第5章であわせて解説しています。


中央層:足を止めた来場者に方向を示す「案内」エリア

入口を抜けた来場者に、ブース内の何を見るべきかを伝えるエリアです。中型モニター(32〜50インチ)が中心になります。

ここでは、自社の提供分野や複数製品の概要を整理した動画を流し、来場者が興味のある領域へ自然に進めるようにします。スタッフが声をかけるタイミングをつかむのも、この層が中心です。「お困りごとがあれば」と話しかけるよりも、画面に映っているテーマを起点に会話を始めるほうが、対話が深まりやすくなるからです。


奥層:製品の前で「説明」を担うエリア

製品やデモ機の隣に置く小型ディスプレイ(15〜27インチ)またはタブレットのエリアです。商談前段階の理解を揃える動画を、字幕付きで連続再生していきます。

スタッフが対面で説明する横で動画を流しておくと、来場者は「いま見ている内容を音声付きで深掘りしてもらっている」感覚で話を聞くことができます。10分かかる説明を3分の動画+スタッフの補足で済ませることで、ブース全体の応対効率も上がっていきます。

製品が複数ある場合は、ディスプレイごとに別の動画を用意するのが基本です。1つの長尺動画にまとめてしまうと、来場者が見たい部分にたどり着くまでに離脱してしまうことが多くなります。


小間数で変わる構成の現実

1小間(3m×3m)の出展では、入口層の動画1台で集客と案内を兼ねるパターンが現実的です。3小間以上の中規模ブースになると、入口・中央・奥の3層に分けた配置が可能になります。8小間以上の大型ブースでは、製品エリアごとに専用の動画ディスプレイを持ち、それぞれが独立した「ミニ展示」として機能していきます。

予算と設置スペースに合わせて、「集客/案内/説明」のうちどれを最優先で担う動画を作るのかを決めると、装置と動画の組み合わせが定まりやすくなります。


展示会動画の制作費用と内訳 2026年版

展示会動画の費用は、動画タイプ・尺・納期によって幅があります。Smarveeのアニメーション動画費用ガイドでは、AI活用と従来制作で同じ尺でも費用が3〜5倍違うケースもあると整理されています。展示会動画も同様で、「集客」「案内」「説明」のどの役割を担うかで、選びやすい価格帯と納期が変わってきます。


動画タイプ別の費用早見表(1分尺の目安)

動画タイプ 費用相場 制作期間
AI+3D・CGアニメ 30〜80万円 約1か月
AI+パラパラ漫画・口パク 40〜60万円 約1か月
AI+セルルックアニメ 40〜100万円 1.5〜2か月
イラスト・キャラクター(従来制作) 20〜35万円 1〜1.5か月
手書きアニメ(従来制作) 80〜150万円 約3か月
フルアニメ(従来制作) 150〜250万円 3か月〜
ロトスコープ(従来制作) 200〜350万円 3か月〜
出典:Smarvee『【2026年4月最新】アニメ制作費の早見表|AI活用で1分20万〜、種類別相場と納期』

AI活用の枠は、生成AIで素材を作って従来の工程と組み合わせるハイブリッド型が中心になっています。同じセルルックアニメでも、従来制作なら80〜150万円ほどかかるところ、AI活用で40〜100万円に圧縮できる試算となっています。


役割別の費用感

3章で整理した「集客/案内/説明」の役割によって、選びやすい価格帯と制作手法が変わってきます。

集客動画は10〜30秒のループが中心になることが多いです。Smarveeの納期別ガイドによれば、AI動画なら30秒尺で14.8万円〜、ハイブリッド方式(AI素材+実写・モーション組み合わせ)でも30秒で20万円〜から始まります。短尺で「業種キーワード+世界観」を伝えるような内容は、生成AIが得意とする領域と言ってよさそうです。

案内動画は30秒〜1分の中尺で、AI+3D・CGアニメで30〜80万円、イラスト・キャラクター系(従来制作)で20〜35万円のレンジに収まることが多いです。

説明動画は1〜3分の長尺で、2分尺で50万円〜、3分尺で70万円〜が目安になります。製品スペックを数字や図表で正確に伝える必要がある場合には、ハイブリッド方式や従来制作のほうが向きそうです。


制作工程と納期の関係

Smarveeの動画制作ワークフローガイドでは、動画制作を「企画・構成 → 制作 → 編集 → 試写・確認 → 納品」の5フェーズで整理しています。手法ごとの制作期間の目安は、おおむね以下の通りです。

  • AI動画:最短1週間〜
  • モーションアニメ:1.5か月〜
  • 実写(ドキュメンタリー型):3週間〜
  • 実写(演出型):3か月〜
  • セル・手書きアニメ:3か月〜

展示会の出展日程に向けて、企画から納品まで余裕を持って制作するなら、出展日の1.5〜3か月前から動き出すのが目安です。納期がタイトな場合はAI動画やハイブリッド方式が現実的な選択肢になります。


AI動画は何が向くのか

生成AIで作る動画は、コンセプト映像や世界観の表現に向いていると考えられています。一方で、数字や図表の正確さ、複雑な業務フロー、商品スペックの詳細などは、現状ではAI単独だと誤差が出やすい領域でもあります。

展示会動画の役割に当てはめると、AI動画が合いやすいのは「集客動画」と、「案内動画」のうち世界観や企業イメージを伝える部分になります。「説明動画」で製品スペックや業務フロー、データを正確に見せたい場合には、ハイブリッド方式や従来制作のほうが向きそうです。

たとえば従業員30名規模の機械部品メーカーが、年間2回の展示会に出展しているケースを考えてみましょう。年間の出展費用は80万円程度です。ここに20万円のAI動画を1本制作しておけば、複数年にわたって展示会・Webサイト・SNSで再利用できる試算になります。AI動画の制作プロセスや具体的な活用例については、関連記事『【展示会の集客、足りてますか?】AI動画を加えるだけでブースが変わる話』もあわせてご覧ください。

自社の展示会動画、何から始めればいい?

業種・出展規模・納期に合わせて、役割設計から費用感、AI動画の活用までご提案します。



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動画を発注する前に決めておきたいこと

ここまでで整理した内容を踏まえて、展示会動画を発注する前に決めておきたい項目を5つに絞ってまとめてみます。役割設計・ブース構成・費用・納期のすべてが、ここで決めた条件から逆算されていくことになります。


1. 動画の役割を1つに絞る

「集客」「案内」「説明」のうち、どれを担う動画なのかを最初に決めます。1本の動画ですべてをカバーしようとすると、3〜5秒の接点では何も伝わらなくなりがちです。複数の役割を持たせたい場合は、役割ごとに別の動画を用意するのが基本になります。

役割が決まると、尺・表現・設置場所が自動的に絞り込まれていきます。集客なら短尺ループ+縦型サイネージ、説明なら長尺+製品横の小型ディスプレイ、といった具合です。


2. 音・字幕・尺の前提を決める

展示会場は音量制限があり、隣のブースの音も入り混じります。動画は「音ありで成立する」前提ではなく、「音なしでも内容が伝わる」前提で作るのが基本です。字幕やテロップは必須と考えてよさそうです。

尺は役割に合わせて10〜30秒(集客)、30秒〜1分(案内)、1〜3分(説明)が目安になります。1本で全部やろうとするよりも、役割ごとに別の尺で作るほうが結果的に伝わりやすくなります。


3. 設置場所と動線を事前に確認する

ブースの間取り図を準備し、動画ディスプレイを置く位置をプロットしていきます。通路の人の流れ、隣のブースとの距離、電源の位置、配線ルートを発注前に確認しておくと、当日の設営トラブルがぐっと減ります。

縦型サイネージは通路際に立て看板のように置きやすく、ブースの装飾が固まったあとでも後付けで設置できるのが利点です。横型は大型化するほど安定したスタンドや壁面が必要になり、設置場所の制約も増えていきます。


4. 想定する来場者の業種と課題を絞る

「誰に見てほしいか」を1〜2業種に絞ると、画面に出すキーワードや訴求内容が明確になります。「すべての業種に響く動画」を作ろうとすると、結局は抽象的になり、誰の視線も止まらないということもあります。

たとえば製造業の課題に当てた動画なら、「金属加工」「精密部品」「歩留まり」など、業種固有の言葉を画面に大きく出していきます。来場者の視線は、自分の業務に関係するキーワードを瞬時に拾ってくれます。


5. 展示会後の再利用先を決めておく

展示会動画は1回の出展で使い切るより、Webサイトのトップページ、SNSの広告素材、営業資料の組み込み映像など、再利用できる設計にしておくと費用対効果が高くなります

縦型サイネージ用に作った短尺ループはSNS用の縦動画にそのまま転用しやすいですし、説明動画はWebサイトの製品ページに埋め込みやすい形式になります。発注時に「どこで何回使う想定か」を伝えておくと、データの納品形式や尺のバリエーションを最初から織り込んだ提案を受けられることが多いです。


制作スケジュールの目安

発注から納品までの目安は、手法によって変わってきます。実写やセル・手書きアニメで余裕を持って作るなら、出展日の3か月前から動き始めるのが安全です。モーションアニメで1.5か月、AI動画やハイブリッド方式なら最短1週間〜2週間で対応できるケースもあります。

納期が間に合わないかもしれない、というときの選択肢については、関連記事『「あと1週間で動画が必要」IR・株主総会向けに、納期別の現実解』もあわせてご覧ください。

展示会動画は、出展日までの限られた準備期間のなかで「役割を絞り込む」ことが、一番のポイントになります。役割さえ決まれば、表現も費用も設置場所も逆算で見えてくるのです。

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Q.
展示会動画の理想的な長さは?
A.役割によって変わります。通路で足を止めてもらう「集客動画」は10〜30秒のループ、ブース内の「案内動画」は30秒〜1分、製品の前で詳しく説明する動画は1〜3分が目安になります。1本の動画ですべての役割を持たせようとするよりも、役割ごとに別の動画を用意したほうが、結果的に伝わりやすくなることが多いです。
Q.
縦型と横型のサイネージ、どちらを選べばいい?
A.設置場所と役割で使い分けるとよいでしょう。通路際に立て看板のように置く集客用なら、縦型のほうが目線の高さに収まりやすく、ブースの装飾が固まったあとでも後付けで設置しやすいです。横型は遠くから視認しやすい特徴があり、奥行きのあるブースのメインビジュアル用に向きます。
Q.
AI動画と従来制作、どう使い分けるべき?
A.コンセプト映像や世界観の表現はAI動画が向き、製品スペックや業務フロー、データを正確に見せたい場合は、従来制作またはAI素材+実写・モーションのハイブリッド方式が合いそうです。展示会動画では、集客動画はAI、説明動画はハイブリッドから従来制作という使い分けが現実的になります。
Q.
展示会動画の制作期間はどれくらい必要?
A.実写やセル・手書きアニメで余裕を持って作るなら、出展日の3か月前から動き始めるのが安全です。モーションアニメで1.5か月、AI動画やハイブリッド方式なら最短1週間〜2週間で対応できるケースもあります。納期から逆算して手法を選ぶ流れになります。
Q.
音は必要?音なしでも伝わるように作れる?
A.展示会場は音量制限があり、隣のブースの音も入り混じるため、音なしでも内容が伝わるように作るのが基本です。字幕やテロップを必須とし、大きな文字とアイコンで要点を画面に出していきます。音は補助的な要素として、ナレーションがあっても字幕がメインの情報源になる構成が向きそうです。

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