アニメーション動画制作の流れ|モーションアニメとセル・手書きアニメの工程と期間
「動画を作りたい」とご相談をいただいたとき、最初に確認させていただくのが「どんなテイストをイメージされていますか?」という問いです。というのも、ひとくちにアニメーション動画と言っても、図形やイラストを動かすモーションアニメと、キャラクターを描き起こすセル・手書きアニメの2系統があり、制作の流れも費用も期間もまったく違うからです。
同じ「1分の動画」でも、モーションアニメなら30万円〜・1.5か月〜で形になる一方、セル・手書きアニメは300万円〜・3か月〜かかる、というくらい差があります。どちらが優れているという話ではなく、伝えたい内容と予算・期間によって、向き不向きがはっきり分かれる手法です。
この記事では、アニメーション動画を制作会社に外注することを検討している方に向けて、2系統の制作工程・期間・用途別の選び方を整理します。アニメーション動画の種類をもっと細かく知りたい方はアニメーション動画14種類の制作手法、費用の詳細はアニメーション動画の制作費用ガイド、実写・AI動画も含めた全体像は動画制作の進め方完全ガイドでも解説しています。
アニメーション動画には2系統ある|モーションアニメとセル・手書きアニメ
アニメーション動画は、大きく分けるとモーションアニメとセル・手書きアニメの2系統に分類されます。それぞれ得意な表現も、向いている用途も、制作にかかる時間と費用も大きく異なります。まずは2系統の特徴を押さえておきましょう。
モーションアニメ(モーショングラフィックス)
図形・文字・イラスト・ピクトグラムを動かして情報を伝える表現です。「目に見えない概念を、わかりやすく図解で見せる」のが得意で、サービスの仕組み・業務フロー・データの動きなどの説明に向いています。キャラクターを描き起こす必要がないため比較的短い期間と費用で制作でき、修正対応の柔軟性も高めです。ビジネス向けの説明動画としてもっとも多く採用されている手法です。
セル・手書きアニメ
キャラクターやシーンを1枚1枚絵として描き起こす、伝統的なアニメーション制作です。日本のアニメ作品でおなじみの表現で、キャラクターの感情表現・世界観の作り込み・ストーリー性のある演出に優れています。現在の制作はほぼデジタルツールで進められますが、それでもカット単位で動きを設計する必要があり、制作工数・費用・期間ともにアニメーション動画のなかでもっとも重い手法です。ブランドの世界観を強く打ち出したいCMやプロモーションに向いています。
2系統の違いを早見表で整理
| 軸 | モーションアニメ | セル・手書きアニメ |
|---|---|---|
| 表現の特徴 | 図形・文字・イラストを動かす図解的表現 | キャラクター・世界観の作り込みに強い |
| 費用感 | 1分30万円〜/3分50万円〜 | 15秒150万円〜/1分300万円〜 |
| 制作期間 | 1.5か月〜 | 3か月〜 |
| 修正のしやすさ | ○(後半でも比較的柔軟に対応可能) | △(絵コンテ段階での合意が決定的) |
| 主な用途 | サービス紹介、社内研修、Web広告、説明動画 | ブランディング映像、CM、プロモーション |
※費用・期間はSmarveeでよくご相談いただく案件の目安です。内容によって変動します。
ざっくりとした選び方の指針として、
- 仕組み・概念を整理して伝えたい/コスパよく作りたい → モーションアニメ
- 世界観・ブランドを強く打ち出したい/キャラクターの感情を描きたい → セル・手書きアニメ
という分け方を、ひとまず頭に入れておくと以降の章が読みやすくなります。
共通する前工程|ヒアリングから構成案まで
モーションアニメとセル・手書きアニメは制作の流れが大きく違いますが、前工程のうちヒアリング・企画と構成案(テキストコンテ)までは、ほぼ共通です。違いがはっきり出るのは、構成案にOKが出た後からになります。
1. ヒアリング・企画
最初のフェーズは、制作会社との打ち合わせ(オンラインまたは対面)です。ここで決めるのは、おおよそ次のような内容です。
- 動画の目的:誰に・何を・どう感じてほしいのか
- ターゲット:視聴者像、年齢層、業界
- 尺:30秒、1分、3分など
- 公開先:Webサイト、YouTube、展示会、社内など
- トーン&マナー:明るく親しみやすく/落ち着いた信頼感/世界観重視 など
- 参考動画:イメージに近い既存動画があれば共有
社内で目的が固まりきっていなくても、打ち合わせのなかで制作会社が一緒に整理してくれるケースがほとんどなので、現時点でわかっていることをそのまま伝えれば大丈夫です。
2. テキストコンテ(構成案)
ヒアリング後、制作会社側でテキストコンテ(構成案)を作成します。「字コンテ」とも呼ばれ、各シーンで何を見せて、どんなナレーションを当てて、どんなテロップを入れるかを、台本・脚本のレベルまで文章で設計したものです。絵はまだ入らず、シーン番号とテキストだけで構成された設計図、とイメージしてください。
一般的に「絵コンテ」と聞くと、ラフな絵が並んだ手書きの設計図をイメージされる方が多いと思います。ただ実務上はいきなり絵コンテに入るのではなく、まずテキストレベルで全体のストーリーと台本を固めるのが定石です。絵を描く前にストーリー・情報の順序・セリフを確定させたほうが、後の工程の手戻りを減らせます。
テキストコンテにOKが出たら、ここからモーションアニメとセル・手書きアニメで進め方がはっきり分かれます。次の章から、それぞれの制作工程を具体的に見ていきます。
モーションアニメの制作工程
テキストコンテにOKが出ると、ここからモーションアニメの本制作に入ります。モーションアニメは「デザイン」と「動かし方」の2軸で作っていく手法で、最初にデザイン側を固めてから動画化に進む流れです。具体的には、次の4ステップで進みます。
- 1. グラフィック案でトンマナ確認
- 2. グラフィックボード(デザイン込みの絵コンテ)
- 3. 動画化(アニメ化作業)
- 4. ナレーション・BGM・仕上げ
1. グラフィック案でトンマナ確認
モーションアニメで特徴的なのが、いきなり全シーンのデザインに入るのではなく、まず1シーンだけ「グラフィック案」を作ってトーン&マナーを確認していただく工程です。色味・イラストのタッチ・フォント・文字組みの雰囲気といった、全体に関わる見た目の方向性を、ワンシーン分だけ実際にビジュアル化して合意を取ります。ここでトンマナがずれたまま全シーン分のデザインに進むと、後から「やっぱり全部作り直し」となって工数も期間も大きく膨らむため、ワンシーンの段階で方向性を固めるのが鉄則です。
2. グラフィックボード(デザイン込みの絵コンテ)
グラフィック案でOKが出たら、その方向性に揃えてグラフィックボードを作成します。これは「デザインと絵コンテを兼ねた設計図」で、全シーンの最終的なビジュアルが、ほぼ完成形のレベルで見える状態になります。各シーンに登場するイラスト・図形・テロップのレイアウト・色使い・フォント・カットごとの画面構成がここで決まります。
一般的に「絵コンテ」と聞くとラフなスケッチをイメージされる方が多いですが、モーションアニメの絵コンテはほぼ最終デザインに近いビジュアルが並ぶ形になります。ここで合意できれば、次の動画化フェーズで大きな手戻りが起きにくくなります。
3. 動画化(アニメ化作業)
グラフィックボードにOKが出たら、いよいよ「動かす」工程に入ります。制作現場では「動画化」「アニメ化作業」などと呼ばれるフェーズで、グラフィックボードで決めた各シーンに動きをつけていく作業です。イラストや図形の登場アニメーション、テロップの出るタイミングと動き、図解のなかで要素が変化していく動き、シーン間のトランジションなどを、カット単位で動きを設計し、全体のリズムを整えていきます。「画面上でこの矢印は0.5秒で右に動かす」「テロップは0.3秒のディレイで出す」といった、テンポとタイミングの細かい調整が、最終的な仕上がりの印象を決めます。
4. ナレーション・BGM・仕上げ
動画化が終わったら、ナレーション・BGM・効果音を載せて仕上げに入ります。直近の現場では、ナレーションをいきなり本番収録するのではなく、AI音声で仮当てして尺感を確認しながら進め、全体が固まってから本番収録に入るスタイルが増えています。修正の柔軟性とスピードが上がるため、Smarveeでも多くの案件でこの進め方を採用しています。BGMは著作権処理済みの素材ライブラリから選定し、必要に応じて効果音を加えて納品となります。
モーションアニメは、グラフィックボードでほぼ完成形の見た目を確認できるため、動画化に入った後の方針変更が起きにくいのが特徴です。動画化に入った後でも、カットの差し替え・テロップ修正・テンポ調整など軽い修正には対応しやすく、修正対応の柔軟性は2系統のなかでは高めです。
セル・手書きアニメの制作工程
セル・手書きアニメは、モーションアニメと比べて工程が多く、各工程の手戻りも重い手法です。テキストコンテにOKが出てから、本制作は次の流れで進みます。
- 1. キャラクター・背景・設定の作り込み
- 2. 絵コンテ(ラフコンテ)
- 3. レイアウト(規模によって入る工程)
- 4. 原画
- 5. 中割・仕上げ・編集(合成)
なお「セルアニメ」という言葉から紙のセル画を1枚ずつ手で塗っていた時代の制作を連想される方もいますが、現在の制作はほぼデジタルツールで進められています。それでもカット単位で動きを設計する必要があり、工数の重さは他の手法より頭ひとつ抜けて大きいのが現場感です。
1. キャラクター・背景・設定の作り込み
セル・手書きアニメで最初に着手するのが、作品世界をかたちづくる「設定」の作り込みです。キャラクターデザイン、背景イメージ、メインビジュアル、世界観の設定資料などを1つひとつ決めていきます。完成した動画では直接見えませんが、その先の全工程の品質を決める土台にあたります。AI動画でいう「キャラクターシート」と発想が近く、ここで作り込んだ素材が原画・中割・背景美術のすべてのベースになります。
2. 絵コンテ(ラフコンテ)
設定が固まったら、絵コンテの作成に進みます。一般的に「絵コンテ」と聞いて多くの方がイメージされる、ラフな絵が並んだ手描きの設計図です。各カットの構図、登場人物の動き、カメラワーク、セリフ、効果音などが、シーンごとにスケッチで設計されます。
セル・手書きアニメにおける絵コンテは、実質的に制作の山場にあたります。ここで方向性が固まれば後はスムーズに進みますし、絵コンテ確定後に「やっぱり別の構図で」「キャラの動きをこう変えたい」といった方針変更が入ると、原画・中割の段階に戻って描き直しが発生し、費用と期間が大きく膨らみます。絵コンテ段階で社内の意思決定者を巻き込めるかどうかが、納期と予算を左右します。
※直近では、絵コンテの段階でAIによる簡易的な動画コンテ(Vコン/ビデオコンテ)まで作って、動きの感触を発注前に確認する進め方も出てきています。動画コンテで方向性のズレを早期に見つけておくと、原画工程に入った後の手戻りを大きく減らせます。詳しくは別記事「Vコンテプラン」で解説しています。
3. レイアウト(規模によって入る工程)
絵コンテにOKが出ると、レイアウトの作成に入ります。これは絵コンテよりも一段詳細な設計図で、各カットのカメラアングル、構図、キャラクターの配置、背景との位置関係を、原画に近い精度で詰めていく工程です。絵コンテが「動きのアイデア」を伝えるラフな設計図なら、レイアウトは「実際にどう描くか」を決める設計図——原画と絵コンテの中間に位置づけられる作業です。すべての案件で必ず入るわけではなく、制作規模や予算によっては絵コンテから直接原画に進むこともあります。
4. 原画
原画は、各カットの動きの「キーとなる絵」を描く工程です。「キャラクターが手を振る」というカットなら、手が下に下がっている絵、上に上がっている絵、また下に戻った絵——この動きの軌道を決める要所の絵を原画と呼びます。原画の質が最終的な動画の表現力をほぼ決めると言ってよく、原画担当のクリエイターの力量が直接仕上がりに反映されます。
5. 中割・仕上げ・編集(合成)
原画が描けたら、中割の作業に入ります。原画と原画の「間」をつなぐ絵を描く工程で、先ほどの「手を振る」カットなら、手が下から上に上がっていく途中の絵を原画の間に何枚も描き入れて、なめらかな動きを作ります。中割が終わったら、線画への着色、背景美術との合成、カットつなぎ、ナレーション・BGM・効果音の付与、最終的な編集を経て、1本の動画として完成します。
修正対応の重さ|絵コンテ段階の合意が決定的
セル・手書きアニメは、原画・中割の段階に入ってからの方針変更が、もっとも重い手法です。「キャラのこの動きをやっぱり変えたい」「カットの構図を違うアングルにしたい」といった変更が原画工程の途中で入ると、すでに描いた原画・中割を破棄して、絵コンテの修正からやり直しになるケースもあります。そのため、セル・手書きアニメでは絵コンテ段階で「これで進めてOK」という社内合意を取り切ることが、何より重要です。
なお、業界用語として「セルルック」という表現を耳にすることもありますが、これは主に3DCGをセル・手書きアニメ風の見た目に仕上げる手法を指します。本記事で扱う「セル・手書きアニメ」とは制作工程が異なる別手法なので、見積もり時に「セルルックでお願いしたい」と伝える場合は、3DCGベースか手描きベースかを確認しておくと話が噛み合いやすくなります。
費用と期間の目安
ここまで2系統の制作工程を見てきましたが、工程の重さが違うため、費用も期間も大きく変わります。Smarveeでよくご相談いただく案件を目安に整理しておきます。
モーションアニメの費用と期間
モーションアニメは、1分尺で30万円〜、3分尺で50万円〜、制作期間は1.5か月〜が目安です。費用が変動する主な要因は、尺の長さ・デザインの作り込み(イラストのテイスト、キャラクター点数、背景の量)・動きの複雑さ・ナレーション(プロナレーターか、AI音声か)・修正回数などです。
モーションアニメは費用感のブレが比較的小さく、「1分30万円〜・3分50万円〜」というラインから大きく外れることは少ない手法です。「サービス紹介動画を1本」といった案件であれば、30万円前後・1.5か月で形になるケースが多く、企画初期の予算組みでも見立てを立てやすい選択肢になります。
なお、こうしたモーションアニメ的な動画を、テンプレートとプログラムで自動生成して量産する手法も登場しています。Remotionで動画をどこまで自動化できるか・その限界は別記事で整理しています。
動画の自動化、Remotionで内製化できるのか:制作フローをテンプレ化する仕組みと、活きる条件
目次OPEN1.はじめに:動画の自動化への、淡い期待2.Remotionとは:コードで動画フォーマットを組む仕組み3.編...
セル・手書きアニメの費用と期間
セル・手書きアニメは費用感の幅が大きく、「最低限作れる金額」と「クオリティを担保できる現実的な金額」を分けて理解しておくのがおすすめです。
- 15秒のショート尺:150万円〜(最低ライン)/現実的には250万円〜
- 1分尺:300万円〜
- 制作期間:3か月〜
15秒CMで「150万円〜」という数字は、フル作画ではなく動きを限定する/キャラクターを最小限にする/AIハイブリッド構成を取り入れるといった、何らかの制約を前提にしないと成立しないライン感です。技術的に「作れる」のは事実ですが、TVクラスのCMとして見せられるクオリティに仕上げるなら、15秒で250万円〜は準備しておくのが現実的です。
費用が変動する主な要因は、キャラクター点数・動きの密度(フル作画/リミテッド)・背景美術の作り込み・アクション/演出の複雑さ・レイアウト工程の有無などです。
予算150万円台で「アニメ風」を実現したい場合
予算は150万円前後でセル・手書きアニメの世界観を作りたい、というご相談もよくいただきます。このとき現実的に取れる選択肢は、次の3つです。
- 動きを限定したセル・手書きアニメ:フル作画ではなく、口パク中心・カット数を絞った構成で原画/中割の工数を最小化する
- AI動画でセルアニメ風のテイストを作る:AI動画の表現の幅は広く、セルアニメ風のテイストもひとつのワークフローで対応可能
- AI動画と手描きのハイブリッド構成:演技性が必要な要所のカットだけ手描きで仕上げ、そのほかはAI動画で生成する
いずれも「予算内で世界観を成立させる」ための工夫として有効ですが、純粋なフル作画のセル・手書きアニメと同じ仕上がりにはならない点だけ事前に押さえておくと話が噛み合いやすくなります。AI動画を使った進め方の詳細は、別記事「AI動画制作会社への依頼の流れ」で解説しています。
AI動画制作会社への依頼の流れ|工程・費用・修正対応の進め方
「動画を頼みたいけれど、AI動画って結局アニメっぽい映像でしょう?」——AI動画について制作会社へご相談いただくと、最初...
費用や期間が変動する共通の要素
2系統に共通して、費用と期間に効いてくる要素として、社内の確認スピード/修正対応の回数/避けたい時期との重なり(年末年始・大型連休・決算期)/ナレーター・BGMの選定/公開日のタイト具合などがあります。公開日が決まっている場合は、最初の打ち合わせで必ず制作会社に伝えてください。逆算で間に合わない場合は、尺を短くする・キャラクター点数を減らす・モーションアニメに切り替えるといった企画段階での調整が必要になることがあります。
費用相場や見積書のチェックポイントの詳細は、別記事で解説しています。
【2026年4月最新】アニメ制作費の早見表|AI活用で1分20万〜、種類別相場と納期
2026年4月時点、AI活用でアニメ制作費は種類や工程で大きく変動。AIでコストを抑えられるものもあれば、変わらないもの...
用途別の選び方|どんな案件にどちらが向くか
ここまで読んでいただいて、「結局、自社の用途にはどっちが向くんだろう」と感じている方に向けて、よくある用途ごとに2系統の向き不向きを整理します。Smarveeで実際にご相談の多い5つの用途を取り上げました。
サービス紹介・説明動画
サービスの仕組み・機能・導入メリットを伝える、もっとも定番の用途です。
- モーションアニメ:本命。サービスの仕組み、業務フロー、データの動きなど、目に見えない概念を図解で見せたい場面で最大の力を発揮します。コスパ感の良さもサービス紹介との相性が良いポイント
- セル・手書きアニメ:あえて選ぶならBtoCサービスで「ストーリー仕立てで感情に訴えたい」場合。ただし費用と期間が大きく、サービス紹介ではモーションアニメに比べて選ばれる頻度は低め
社内研修・マニュアル
業務マニュアル、新入社員研修、コンプライアンス研修など、社内向けに繰り返し視聴される動画です。
- モーションアニメ:本命。ハラスメント・コンプライアンス・業務フローなど、抽象的な概念を整理して伝えたい用途で圧倒的に向いています。コスパよくシリーズ展開できるのも強み
- セル・手書きアニメ/ハイブリッド構成:研修動画でも、「毎年同じトーンの内容では飽きられてしまうので、最後まで見てもらえる動画に作り変えて、社内にしっかり浸透させたい」という目的で選ばれるケースがあります。ストーリー仕立ての映像で視聴の途中離脱を防ぐ狙いです。フル作画にするとコストが重くなるため、セル・手書き×AI動画やセル・手書き×モーションアニメのハイブリッド構成で予算を最適化する進め方が現実的です
会社紹介・採用
コーポレートサイトのトップ動画、採用LP、会社説明会で流す動画など、自社の魅力を伝える用途です。
- モーションアニメ:会社の沿革・事業領域・実績や規模感(数値)を整理して見せたい場合に強い手法。「会社の全体像をコンパクトに伝える」用途と相性が良い
- セル・手書きアニメ:採用動画で「ストーリー仕立てのドラマ」「キャラクターを通じた共感醸成」を狙う場合に選ばれます。新卒採用など、情緒的な訴求が効きやすいターゲットで検討の余地あり
広告・CM・ブランディング
TVCM、Web広告、SNS広告など、不特定多数に向けた訴求動画です。
- モーションアニメ:機能・特徴を整理して訴求したい場合や、Web広告でコスパよく複数本を作りたい場合に向きます
- セル・手書きアニメ:本命のひとつ。ブランディング寄りのCMで、世界観や情緒に訴えたい場合の最有力候補です。15秒CMでも250万円〜の予算規模が必要になりますが、他の手法では出せないキャラクターの存在感とストーリー性が手に入ります
イベント・オープニング映像
イベント冒頭で流すオープニング映像、登壇者の登場演出、表彰式の演出映像など、印象づけが目的の短尺動画です。
- モーションアニメ:会社ロゴワーク、実績やデータをドラマチックに見せたい場合の本命。スタイリッシュなモーション演出で会場を惹きつけられます
- セル・手書きアニメ:周年イベント・ブランド発表会など、「一度きりの特別な場のオープニング」で、ブランドの世界観を強く打ち出したい場合に選ばれます
なお、アニメーション動画の種類は本記事で取り上げた2系統だけではなく、3DCGアニメ、ピクトグラムアニメ、タイポグラフィ動画など、より細かい区分もあります。種類の網羅的な解説は別記事「アニメーション動画14種類の制作手法」で紹介しています。
自社に合うアニメーション動画の進め方を相談したい方へ
動画の用途・予算・スケジュールをお伺いして、過去の類似事例とあわせて2系統の使い分けやハイブリッド構成も含めてご提案します。
確認・修正対応・納品の流れ
制作工程の最終フェーズが、確認・修正対応・納品です。モーションアニメとセル・手書きアニメは、確認のタイミングと、修正対応で何ができるかが大きく違うため、それぞれ整理しておきます。
段階的な確認|2系統で「確認の山場」が違う
最近は完成版を一度に見せるのではなく、粗い段階から段階的に確認を重ねながら最終形に向かう進め方が主流です。ただし「どの段階の確認がいちばん重要か」は2系統で異なります。
- モーションアニメ:確認の山場が3段階に分散しています。①グラフィック案でのトンマナ確認、②グラフィックボードでの全シーンデザイン確認、③動画化後の初稿確認、の3つです
- セル・手書きアニメ:確認の山場は絵コンテ段階に集中します。原画工程に入った後の方針変更は描き直しに直結するため、絵コンテで「これで進めてOK」という合意を取り切れるかどうかが最重要です
どちらの場合も、確認時に社内の意思決定者を巻き込めるかどうかが、後半の手戻りを防ぐ大きなポイントになります。
修正対応の進み方|手法によってできることが違う
修正対応で「何が軽くて、何が重いか」も、2系統で大きく違います。
- モーションアニメで対応しやすい修正:テロップの文言・フォント変更、カットの順序入れ替え、テンポの微調整、BGM・効果音の差し替え、イラストの色味調整
- モーションアニメでも重くなる修正:グラフィック全体のテイスト変更、動きの設計を根本から変える方針変更
- セル・手書きアニメで対応しやすい修正:ナレーション・BGMの差し替え、テロップ追加・編集レベルの調整
- セル・手書きアニメで重くなる修正:原画・中割の段階に入ってからの動きの方針変更、キャラクターのデザイン・表情の根本変更、カットの構図・カメラワークのやり直し
修正点を伝える際は、「○秒のカットを△△に差し替え」「テロップ□□のフォントを××に変更」のように、誰が見ても同じ解釈になる粒度で共有していただくと、修正の往復が減って納期遅延を防げます。
納品の流れ
修正対応が完了し、最終版でOKが出れば納品となります。最近はほとんどの案件でデータ納品となり、確認しておきたい項目は次の通りです。
- ファイル形式:MP4、MOVなど、用途に応じて指定
- 解像度・尺:Full HD(1920×1080)、4K、縦型(1080×1920)など。SNS用に複数フォーマットが必要な場合は、最初の発注段階で伝えておくとスムーズ
- データの受け渡し方法:オンラインストレージやファイル転送サービスでの共有が一般的
素材データ(イラスト原画、編集元データなど)の保管については、Smarveeでは原則2年間を保管期間としてお約束しています。「あの動画の一部をSNS用に短く切り出したい」「テロップだけ差し替えて再利用したい」といった追加対応が後日発生した場合、保管期間内であれば再編集をスムーズに進められます。
まとめ|自社に合うアニメーション動画の選び方
ここまで、アニメーション動画を制作会社に外注する際の工程・期間・費用・用途別の選び方を整理してきました。最後にポイントをまとめます。
2系統の使い分けの基本
モーションアニメとセル・手書きアニメは、得意な表現も、費用感も、制作期間も大きく違う手法です。改めて整理すると、次のような選び方になります。
- 仕組み・概念を整理して伝えたい/コスパよく作りたい/短納期で立ち上げたい → モーションアニメ(1分30万円〜・1.5か月〜)
- 世界観・ブランド・キャラクターの存在感を強く打ち出したい/情緒に訴えたい → セル・手書きアニメ(15秒250万円〜・3か月〜)
選び方を一言でまとめると、「何を伝えたいか × どれくらいの予算と期間か × 修正対応をどう進めたいか」の3軸で考える、ということに尽きます。
第3の選択肢としてのAI動画
「セル・手書きアニメの世界観で作りたいけれど予算が合わない」「短納期でアニメーション動画を立ち上げたい」というケースでは、AI動画が第3の選択肢として現実的な候補になります。AI動画は、生成AIを活用した新しい動画制作手法で、実写風・セルアニメ風・3DCG風・色鉛筆風・モーション風・ドット絵風など、ひとつのワークフローで多彩なテイストに対応できる点と、最短1週間で納品できるスピード感が特徴です。セル・手書きアニメの代替としてセルアニメ風のテイストを選ぶこともできますし、演技性が必要なカットだけ手描きで仕上げて、その他はAI動画で制作するハイブリッド構成も可能です。
AI動画制作会社への依頼の流れ|工程・費用・修正対応の進め方
「動画を頼みたいけれど、AI動画って結局アニメっぽい映像でしょう?」——AI動画について制作会社へご相談いただくと、最初...
動画制作全体の選び方(実写・アニメ・AI動画)の比較は、ハブ記事で整理しています。
動画制作の進め方完全ガイド|実写・アニメ・AI動画の工程と選び方
動画制作の進め方を、実写・アニメ・AI動画のパターンで横並びに整理。費用・期間・向いている用途の比較から、問い合わせ〜納...
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