失敗しない動画制作会社の比較と選び方:4つのポイントをチェック!

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はじめて動画を作成を依頼する際に、最初のハードルとなるのが動画制作会社の選定です。近年、動画制作の機材の低価格化・高性能化や、動画需要の増大に伴い、動画制作会社が次々と生まれ、異業種からの動画制作への進出も増加しています。選定対象の会社が増えた分、制作会社の選択も以前より難しくなっています。

実際に、「他社の見積もりの内容に納得がいかない」、「他社で制作を進めていたが、一方的なスケジュールと内容で制作進行され困っている」、「丸ごと制作を依頼するつもりだったが、台本を全てエクセルに書いて送ってくれと指示された」、「後から予定納期に間に合わないと言われた」など、制作会社の選定がうまくいかずに、弊社に改めてご相談いただいたお客様もいらっしゃいました。

無数にある制作会社の中から、よい制作会社を見極めるのは非常に難しいことですが、いくつかのポイントがあります。表面的な事柄だけで、近視眼的に制作会社を決めてしまうと、かえってコストや時間、担当者の労力を使ってしまう結果になりかねません。

今回は、こういった失敗を回避するために、動画制作会社の立場で、発注会社の選定・発注にあたり、どのようなポイントに気をつけるべきかをまとめてみました。これまでのお客様のご意見や自分自身の経験から、なるべく一般論で役に立つ内容を書いていきたいと思います。

ポイント1:料金・費用を比較してみよう!

ポイント1:料金・費用を比較してみよう!

制作会社を比較するにあたり、まず気になるのが費用面です。費用は安いにこしたことはないですが、単純に合計金額だけを横並びに比較するのは危険です。

「格安」「激安」といったキャッチーなキーワードに踊らせれることなく、費用に見合った役務が提供されるのかをご自身の目でしっかりと見極めることが重要です。「その費用内で出来上がる動画のイメージはどのようなものか」という点に加え、「その費用内で提供される制作会社の役務はどこからどこまでなのか」という点で、見積もりを評価するようにしましょう。

それでは、これらの費用面や役務内容に関して、発注者と受注者の間の意思疎通が取れなかったことにより発生してしまう、具体的なトラブルについて紹介していきたいと思います。

(よくあるケースⅠ)撮影・編集のみで、企画構成・演出がない

(よくあるケースⅠ)撮影・編集のみで、企画構成・演出がない

動画制作という業務は、撮影や編集だけの業務と思わがちですが、企画・構成・演出を検討するための企画書や台本の作成、シナリオハンティングやリサーチ、モデルやロケ地の手配やコーディネート業務、ナレーション収録や翻訳、DVDやBlu-ray等のメディア制作など業務は多岐に渡り、求められる内容によって発生する費用は大きく変動します。

動画制作のパッケージサービスなどで、台本制作が入っていないようなサービスの場合は、ご自身で台本や構成を検討しなければなりません。動画の台本制作は、スクリプト・ビジュアル・演出を複合的に考えていかなければなりませんので、初めの方は特に苦労されるかと思います。あえてご自身で台本を作成して、より安く仕上げるというのも一つの選択肢ですが、より多くの動画の制作を経験している制作会社のディレクターに、客観的な視点でシナリオや演出の制作・提案をしてもらうことで、スムーズな進行や効果的な動画の制作につながりやすくなります。

見積もりの内容に企画構成・演出費などが含まれているか、含まれていない場合はどのような部分まで対応してもらえるのかを事前に確認しておきましょう。

(よくあるケースⅡ)修正には都度追加費用がかかる

(よくあるケースⅡ)修正には都度追加費用がかかる

動画制作では、事前に修正回数の制限を定めている会社が多いです。修正の回数を「無制限」としておくと、スケジュールがハンドリングできなくなってしまうこともありますし、勿論それに対応する工数(人件費)が多く発生してしまうためです。

弊社では、基本的に台本・動画ともに三稿を最終稿とさせていただいております。ちなみに、台本はおおよそ二稿から三稿、動画は初稿から二稿で完了となるケースがほとんどです。弊社の場合は、台本のすり合わせに重きを置いて時間をかけているので、実績としての修正回数はかなり少ない方だと思います。そういったことも加味すると、「修正は1回のみ無償」だと心許ないと思いますので、少なくとも2回程度は担保してもらうと良いでしょう。修正回数の説明が事前にない場合は、発注する制作会社へ確認しておきましょう。

1点注意したいのが、制作途中の要件変更です。依頼内容や要件・目的が制作中に大幅に変わるような場合は、通常の修正として費用内で対応してもらえない可能性があります。できるだけ、台本や構成のすり合わせの段階で、社内確認を済ませておき、大きな変更が発生しないようにしましょう。

納品・検収完了後の修正・追加編集については、制作会社側に明らかな瑕疵があった場合を除き、多くの場合は費用が発生します。事前に、「後々、これくらいのアップデート・修正が発生したらどれくらいの費用がかかりそうか?」という部分を確認しておくと良いでしょう。

(よくあるケースⅢ)素材の料金が含まれていない/発注者側手配になっている

(よくあるケースⅢ)素材の料金が含まれていない/発注者側手配になっている

素材を使った編集の見積もりに、素材の費用が含まれていない、またはその記載が一切ない場合についても要注意です。ご自身で大量のストックフォトの中から画像を探してくるのは骨が折れる作業です。

また、素材選定にあたっては、ブランドやサービスのトンマナ(デザインの一貫性)を意識する必要があるので、映像のイメージを具体的に持っているプロに一括して任せておいた方がスムーズでしょう。

見積書上に記載がない場合は、その費用内で素材を作成してくれるのか、素材を購入してくれるのかを事前に確認しておきましょう。


ポイント2:制作実績を比較してみよう!

ポイント2:制作実績を比較してみよう!

2つ目の比較ポイントは制作実績です。その会社がどのような制作実績があるのかという点は、発注者としてはとても気になるところです。

大抵の制作会社は制作実績をホームページに掲載していると思いますので、まずは掲載されている実績を確認し、「分かりやすさ」「デザイン」など、ご自身の制作する動画に必要な要素を中心にチェックしましょう。ホームページに載せている実績の他にも非公開実績がある場合が多いので、実際に問い合わせをして、ご自身作りたいジャンルの動画の制作実績があるかどうかを確認してみましょう。

制作実績で判断する際は、ご自身の目で見て直感的に良いと思うものを選んで下さい。制作実績を見て気に入らない部分が多いということは、ご自身と制作会社の担当者のセンスや感覚に相違があるということです。今後動画を作っていくうえでも苦労や手間が増えてしまう可能性が高いといえます。数だけで大局的に捉えるのではなく、自分自身が納得がいくような制作実績があるかを見てみましょう。

価値観は人によって大分異なるものですし、沢山の動画を見続けていると良いものか悪いものかも段々分からなくなってくることもあります。判断に迷う場合は同僚や上司などと一緒に確認してコメントをもらうのも良いでしょう。


ポイント3:提案力やナレッジを比較してみよう!

ポイント3:提案力やナレッジを比較してみよう!

制作会社の選定において、意外と見落とされがちなポイントが、3つ目の「提案力やナレッジの違い」です。様々な知識と経験から効果的・効率的な動画制作の方法を導きだす「提案力・ナレッジ」は非常に重要な評価ポイントといえます。制作会社と長く付き合うことを前提に考えると、なおさらです。

特に初めて動画制作するような場合は、目的や課題がはっきりしていても、どのような動画を作れば良いのかが曖昧な場合もあると思います。「提案力・ナレッジ」がない制作会社は、全てYESで、言われた通りに作るだけになってしまうことがあります。発注者側の要望を汲んだうえで、効果的・効率的な動画制作を自ら提案してくれる会社を選びましょう。

近年、動画に注目が集まり、動画プラットフォームや配信技術、編集技術や機材の性能など、動画を取り巻く環境は目まぐるしい勢いで日々変化しています。このような状況の中で、制作会社に求められる能力は、「撮影・編集技術」だけではなくなりました。動画制作会社の担当者も、企画や制作などクリエイティブに関する知見だけでなく、ソーシャルメディアや動画広告などプロモーションや媒体に関する知識、エンコードやWEBサイトのコーディングを始めとした技術的な知識、お客様のビジネスの周辺情報など幅広い知識が要求されることが増えてきました。

「Facebookではどのようなファーマットが効果的で、どのようなクリエイティブがNGになるのか?」「その場所でドローンを飛ばすには誰にどういったことを確認すればよいか?」「制作した動画を街頭サイネージとYouTubeに出稿したいが、どのようなことをすればよいか?」など、動画制作に付随して発生する様々な疑問や質問にも対応できる「知識と経験」がある制作会社がバックアップしてくれるのは心強いものです。

発注・制作前に、制作会社の担当者と会う機会があれば、課題や目的を共有したうえで、「どのようにしたらより効果が出せそうか」「その他の動画の活用方法はないか」など、一緒にディスカッションしてみましょう。効果を上げるための考えや戦略などの引き出しがあるか、動画が必要な理由をしっかり説明できるか確かめてみましょう。

また、ブログなどでそれらの情報を発信している場合は、制作に関する具体的な知識を有しているか、トレンドの技術や環境の変化をキャッチアップしているかなどを確認してみるのもよいでしょう。


ポイント4:進行管理やサポートを比較してみよう!

ポイント4:進行管理やサポートを比較してみよう!

4つ目のポイントが進行管理やサポートです。動画制作は大抵の場合、明確な期限・納期が決まっていることが多いため、予定通りに進行することが重要になります。当初予定したスケジュール通りにスムーズに進むよう各所の調整を行い、万が一想定外のことが起きても、うまくリカバリーして最終的な納期に間に合わせるという部分も、制作会社の腕の見せどころです。

制作のプロセスやスケジュールのコミットが明示されずに制作が進むのは、発注者側からするととてもハラハラするものです。事前にどのように進行するのかをイメージしたい場合は、「この納期で進めるとしたらどのようなスケジュール・工程で進むのか」という点も併せて確認しておくと良いでしょう。

また、実際に制作の窓口となり、案件を全面的にサポートしてくれるディレクターはどのような人物なのかも確認しておきましょう。いざ蓋を空けてみたら、他社や個人に案件を丸投げしていたり、中にはあまり経験のない学生のインターン生に経験を積ませるために企画をさせていたというような話もあります。ワンストップで進められない制作会社の場合は、レスポンスが遅かったりと機動力でも不安が残ります。

動画制作の調整に関わる登場人物が、必要以上に多すぎる場合も要注意です。各所との調整や確認を全てご自身で行うのは非常に手間がかかりますし、責任の所在も曖昧になりがちです。制作会社の誰が責任をもって旗を振って動画制作を進行してくれるのかを、事前にはっきりさせておきましょう。


制作会社を選んで見積もりをとってみよう!

色々なキーワードで検索をして、気になる制作会社をピックアップして、これまで説明してきた、4点のポイント「費用」「実績」「提案力・ナレッジ」「進行管理・サポート」を主なポイントとして、実際に制作会社へ見積もりをとったり、打合せをするなどして、比較検討をしていましょう。

見積もりをする際、要件があまりにもぼんやりとしていると、制作会社ごとに見積もりの前提が異なってきてしまうため、以下のような最低限の要件は決めておくと良いでしょう。

・動画の用途や目的、使用方法
・作りたい動画のイメージ(イメージに近い動画のURLなどがあればそれも送りましょう)
・台本制作やナレーションなどの有無
・(もしあれば)大まかな予算感と納期

見積もりの方法として、一括見積もりサイトなどもありますが、制作会社の提案が予算合わせになり、良い提案を受ける機会を失ってしまったり、事前の直接交渉や確認ができなかったりすることもあります。とにかく急ぎで制作の予算感を知りたい場合などには向いていると思いますが、それ以外の場合は、出来るだけ直接制作会社に問い合わせをするようにしましょう。そのやりとりだけでも、制作会社の特徴が垣間見れるかもしれません。


終わりに

動画制作会社をWEBなどで検索して探していく中で、どの会社もアピールポイントが似通っているうえ、数がとてつもなく多いため、選定に苦労される方はとても多いと思います。

ホームページや見積書だけでは分からない情報もありますし、他社で評判が良くても、自社には合わないといったケースもあります。実際に制作会社の担当者と顔を合わせ、制作・サポートの内容や特徴に関して気になる点をヒアリングし、必ずご自身の目で本当に信頼できる会社かどうかを判断するようにしましょう。


動画制作・動画マーケティングは「スマービー」