「YouTubeにアップした動画をその場で編集したい」「無料で簡単に動画編集をしたい」──そう思って『YouTubeエディタ』を探している方へ、最初に重要なお知らせをさせてください。
かつて存在した『YouTube動画エディタ』は2017年9月に廃止されました。現在のYouTubeでの動画編集は、目的に応じて3つの方法を使い分ける形に変わっています。本記事では、それぞれで「何ができて、何ができないか」「どこまで実用に耐えるか」をまとめます。
結論|YouTubeでの動画編集は2系統+外部ツール
最初に結論からお伝えします。
- 旧YouTube動画エディタは2017年9月20日に廃止されました
- 現在は次の3つを目的別に使い分けます
- PCで軽く修正したい → YouTube Studio
- スマホで完結させたい → YouTube Create(無料アプリ)
- 本格的に編集したい → 外部の動画編集ソフト
YouTube内で完結する範囲は限定的です。「アップした動画をちょっと直したい」程度ならYouTube Studio/YouTube Createで十分。テロップを凝ったり、BGMを自由に乗せたいなら、外部ツールに頼るのが現実解です。
YouTube Studio(PC)でできること・できないこと
YouTube Studioは、YouTubeの管理画面に標準で組み込まれた編集機能です。PCブラウザで studio.youtube.com にアクセスして、左メニューから動画を選び、「エディタ」タブを開くと使えます。専用ソフトのインストールは不要、無料で使えます。
できること
- トリミング・カット:動画の冒頭や末尾、中間の不要な部分を範囲指定で削除できます。アップロード済みの動画をそのまま編集できるので、再アップロード不要なのが利点です。
- ぼかし:人の顔を自動認識して追従する「顔のぼかし」と、領域を指定する「カスタムぼかし」が使えます。背景に映り込んだ個人情報や第三者の顔を消す用途には十分。
- 終了画面:動画の最後数秒に、次の動画やチャンネル登録ボタンへの誘導を表示できます。
- カード:動画の途中で、他の動画やプレイリストへのリンクをポップアップ表示できます。
- 字幕:自動生成された字幕の手動修正、または独自字幕のアップロードが可能です。
できないこと
- 新しい動画素材の追加(撮り直した別カットを後から差し込むなど)はできません
- テロップやアニメーションを自由に配置・装飾することはできません(字幕レベルの簡素な表示が限界)
- トランジション・エフェクトは搭載されていません
- BGMの後付けはできません(YouTube Audio Libraryの楽曲を使うにはアップロード前の動画ファイルに組み込む必要があります)
実用度の目安
アップロード後に「ここカットしたかった」「個人情報が映り込んでいた、ぼかしを入れたい」と気づいたときの 修正用ツール として捉えるのが現実的です。ゼロから動画を作る用途には向きません。
「動画を1本作る」のではなく「アップ済みの動画を後から手直しする」のがYouTube Studioの守備範囲です。本格的に編集したい場合は、撮影前から外部ツールでの編集を前提にしたほうが効率的です。
YouTube Create(スマホアプリ)でできること・できないこと
YouTube Createは、YouTube公式のスマートフォン向け動画編集アプリです。Android/iOSの両方で配布されており、無料・広告なしで長尺動画とショート動画の両方が編集できます。日本では2024年から正式提供が始まりました。
できること
- カット・分割・並べ替え:撮影した動画クリップをタイムラインに並べて、不要部分のカットや順序入れ替えができます
- テキスト・字幕:テキストの挿入、フォントや色の変更、自動キャプション(音声から字幕を自動生成)が可能
- 音楽・効果音:YouTube Audio Libraryの著作権フリー楽曲、効果音をアプリ内で直接追加できます
- フィルター・エフェクト:動画全体の色味調整や、簡単なエフェクトを適用できます
- トランジション:クリップの切り替わりにフェードやワイプなどの効果を入れられます
- ボイスオーバー:動画の上にマイク録音でナレーションを重ねられます
- 縦型・横型の両対応:ショート(縦型9:16)・通常動画(横型16:9)どちらでも編集可能
できないこと
- PC版YouTube Studioとの直接連携はありません。Studioで公開済みの動画をCreateで再編集するといった双方向のやり取りはできません
- キーフレームによる細かいアニメーション制御は搭載されていません
- 複雑な合成・マスク処理はできません(背景透過は不可)
- 長尺の重い編集(30分超のフル尺動画など)はスマホ性能の影響を受けやすく、PC編集のほうが安定します
実用度の目安
スマホで撮影→そのままアプリで編集→投稿、までの一気通貫が成立する点が利点です。ショート動画、Vlog、簡単なまとめ動画ならこれだけで十分完結します。
ただし、テロップを凝った装飾で動かしたり、複数音源を細かく重ねたりといった編集は不向き。スマホで本格的に編集したいなら、後述するCapCutのほうが自由度が高めです。
用途別の使い分け
自分はどのツールを使えばいいのか、3つの典型的なシーンで整理します。
ケース1:アップ済み動画を直したい
動画は既にYouTubeに公開済み。「冒頭のカット忘れた」「個人情報を消したい」など、限定的な修正だけしたい場合。
→ YouTube Studio(PC) を使います。再アップロード不要で、視聴回数やコメントを引き継いだまま編集できます。
ケース2:スマホ1台で撮影〜投稿まで完結したい
PCを使わず、スマホで撮影→編集→投稿まで一気にやりたい場合。Vlogやショート動画、SNS連動の発信が中心。
→ YouTube Create(スマホアプリ) を使います。テロップや音楽もアプリ内で完結し、PCに移す手間がありません。
ケース3:本格的に動画を作りたい
商用案件、企業VP、長尺の作品制作、凝ったテロップやエフェクトが必要な動画。
→ 外部の動画編集ソフト を使います。スマホ派ならCapCut、PC派なら無料のClipchampやDaVinci Resolveなど。詳しくは次の章で紹介します。
迷ったときの判断基準
「今すぐ/無料/簡単」を優先するなら、YouTube Studio・Createで十分なケースが多いです。逆に「完成度/自由度/継続的に作る」を優先するなら、最初から外部ツールに慣れたほうが結果的に近道になります。
動画編集を本気で続ける予定なら、ツールを途中で乗り換えるより、最初から外部ツールで覚えてしまうほうが学習コストの無駄が減ります。
本格編集向け 外部ツール
YouTube Studio・Createでは物足りない場合の選択肢を、用途別に整理します。代表的で初心者でも始めやすいものに絞っています。
スマホで本格編集
CapCut
ByteDance(TikTok運営元)が提供する無料アプリ。スマホ向け編集アプリとしては自由度が高く、ショート動画クリエイターによく選ばれています。テロップ装飾、トランジション、音楽ライブラリ、自動字幕など機能が豊富です。
- 無料/一部機能はProプラン(月額制)
- 商用利用は要確認(プロジェクトによってはNG)
InShot
シンプルさを優先したいならこちら。VlogやSNS用の縦型動画を素早く編集したい人向けで、CapCutより軽量。
- 無料/広告ありの無料版とPro版(買い切り+月額)あり
PC・無料
Clipchamp(Microsoft)
Windows 11に標準搭載されている動画編集ソフト。Webブラウザでも使えます。基本的なカット・テロップ・音楽追加・トランジションが揃っており、Windows派の最初の1本として有力です。
- 無料(一部機能・素材はPremiumプラン)
- Mac非対応(ブラウザ版なら一応動作)
DaVinci Resolve
プロ向けに開発されたソフトの無料版。色補正やオーディオ編集機能が業界水準で、本気で動画編集を学びたいならこれ1本で長く使えます。
- 無料(有料Studio版もあり)
- 高スペックPC推奨
PC・有料
Adobe Premiere Pro
プロの動画編集現場で標準的に使われているソフト。映像制作会社や広告代理店の納品データはPremiereベースが多く、仕事で動画編集するなら避けて通れません。
- 月額制(Adobe Creative Cloud)
Final Cut Pro(Mac専用)
Mac環境で映像制作するなら有力候補。買い切り型で、長期的にはPremiereよりコストを抑えられます。
- 買い切り(Mac App Store)
選び方の目安
- 無料・スマホ完結 → CapCut(最初の1本に最適)
- 無料・Windows PC → Clipchamp(標準搭載)
- 無料・本格学習向け → DaVinci Resolve
- 仕事・チーム連携前提 → Premiere Pro
- Mac環境で長く使う → Final Cut Pro
手動での編集に慣れたら、動画を自動で量産する方法もあります。関連記事「Remotionによる動画内製化」もあわせてご覧ください。
動画の自動化、Remotionで内製化できるのか:制作フローをテンプレ化する仕組みと、活きる条件
目次OPEN1.はじめに:動画の自動化への、淡い期待2.Remotionとは:コードで動画フォーマットを組む仕組み3.編...
旧YouTube動画エディタの歴史
ここまで読んだ方の中には「昔YouTubeに、ブラウザ上で完結する動画編集機能があったはず」と記憶している方もいるはずです。本章ではその経緯と、なぜ現在の形に変わったのかを簡単に整理します。
公開〜廃止までの流れ
旧YouTube動画エディタは、2010年6月にYouTube公式の機能として公開されました。クリエイティブ・コモンズの動画素材を組み合わせて簡単な動画を制作できる機能で、フィルター、トランジション、テロップ、BGM追加など、当時としては手軽さが評価されていました。
その後、利用率の低下とスマートフォン普及による動画視聴環境の変化を受けて、2017年9月20日に廃止されました。
廃止の背景
廃止の理由として、Googleが公式に挙げていたのは次の点です。
- 利用者数が想定より伸びなかった
- スマートフォンでの動画制作・視聴が主流になり、ブラウザ完結型の編集機能の優先度が低下
- YouTube Studio側の機能拡充に開発リソースを集中
その後、2023年にスマホ向け編集アプリ「YouTube Create」が登場し、結果として「PCでの軽い修正=Studio/スマホでの本格編集=Create」という分業に再編されました。
「YouTubeエディタ」を探していた方へ
2017年以前と完全に同じ操作感のツールは、現時点で存在しません。最も近いのはYouTube Createのスマホアプリで、機能の幅は旧エディタを大きく上回っています。PCで完結したい場合は、ClipchampやDaVinci Resolveなど無料で導入できる外部ツールが代替候補になります。
よくある質問
Q.YouTube Studioは無料で使えますか?
Q.YouTube Studioで編集したあと、再アップロードは必要ですか?
Q.スマホだけで動画を作って投稿できますか?
Q.旧YouTube動画エディタは復活する予定はありますか?
Q.アップロード済み動画のBGMだけ、後から変えることはできますか?
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