【プレゼン力アップにも有効!】ビジネス動画シナリオ・台本の作り方
動画制作を依頼するとき、または自社で動画を作ろうとしたとき、最初につまずくのが「台本(シナリオ)」ではないでしょうか。何をどの順番で伝えるか、どこで何を見せるのかが決まらないと、撮影も制作もなかなか前に進みません。
実は、動画の台本にはある「考え方の正解」があります。それはプレゼン資料の構成とほぼ同じです。この記事では、その理由と、実際の制作現場で使われる3つの構成フレームワーク(PREP・IREP・DESC)を、具体的な動画事例と合わせて解説します。
動画はプレゼンと同じ「行動変容ツール」

動画は何のために作るのでしょうか。改めて考えてみると、ほとんどのビジネス動画には共通した目的があることに気づきます。それは、視聴者に「何かしらの行動を取ってもらうこと」です。
展示会やWebサイトに置く動画は足を止めてもらうため、広告動画は購買やダウンロードへの誘導のため——どれも「見て終わり」ではなく、見た後に動いてもらうことを目的としています。
これは、会社でのプレゼンテーションと本質的に同じ構造だと思いませんか。「報告」「発表」「プレゼン」の3つを比べると、プレゼンだけが聞き手に「アクションを起こしてもらうこと」を求めています。ビジネス動画は、まさにこのプレゼンと同じ役割を担っているのです。
| 分類 | 自身がやるべきこと | 聞き手に求めること |
|---|---|---|
| 報告 | 事実・状況・所感などを伝える | — |
| 発表 | 事実・状況・所感などを伝える | 理解してもらう/フィードバックをもらう |
| プレゼン | 事実・状況・所感などを伝える | アクションを起こしてもらう |
それでも動画がプレゼンより難しい2つの理由

目的が同じなら、プレゼンの作り方をそのまま動画に使えばいい——と思いたいところですが、そう簡単にはいきません。動画には、プレゼンにはない2つの制約があります。
画面だけで全部伝えなければならない

プレゼンでは、話し手への視線が70〜80%を占めると言われています。スライドはあくまで「補足」でよく、細かい文字が多少あっても話し手が言葉で補えます。
動画にはその話し手がいません。視聴者の視線は100%画面に向きます。「画面に映るもの」と「ナレーション」だけがすべての情報源です。話し手の説明力で補える余地はなく、見せ方と言葉の設計が、台本の段階から問われることになります。
視聴者の反応に合わせて変えられない

プレゼンなら、聴衆の様子を見ながら話すスピードを変えたり、反応が薄いと感じたら説明を足したりすることができます。
動画はそれができません。ナレーションが止まったり、画面が止まると、視聴者はそのまま離れてしまいかねません。「視聴者が今どこで引っかかるか」を事前に想定して台本を設計しなければならない——これが動画の難しさであり、台本設計が大切な理由です。
構成は3つのフレームワークから選ぶ

動画の台本設計では、「誰に」「何を伝えて」「どんな行動を取ってもらいたいか」を最初に整理してから、構成を選びます。
動画制作会社が打ち合わせで「ターゲットは?制作の目的は?」とよく聞くのは、まさにこの整理のためです。プレゼンで「聴衆は誰か、ゴールは何か」を確認するのと同じことをやっています。代表的なフレームワークは以下の3つで、動画の用途によって使い分けます。
| 構成名称 | 論理展開 | 特徴 | 向いている動画の種類 |
|---|---|---|---|
| PREP | Point/Reason/Example/Point | 結論を先に伝えて根拠で補強する | 比較検討・営業ツール |
| IREP | Issue/Reason/Example/Point | 問題提起から始めて解決策に導く | 展示会・Web・広告 |
| DESC | Describe/Express/Suggest/Consequence | 事実を描写して行動を促す | 教育コンテンツ・啓発動画 |
PREP法——すでに関心のある相手に使う

PREPは結論から入る展開です。シンプルで伝わりやすいぶん、前提知識のない初見の相手には使いにくいという注意点があります。「そもそも何の話?」という状態で結論を先に出しても、なかなか響かない場合がほとんどです。
逆に言うと、業界の方や専門家など、すでにある程度の知識を持っている相手に対してはとても有効です。共通の前提があるぶん、結論から入っても「なるほど、その話か」と受け取ってもらいやすくなります。
動画でPREPを使うのは、問い合わせ後の比較検討やクロージングの場面が中心です。すでに課題感を持っている相手に、根拠と具体例を添えて結論を届けます。
事例1:幼児教材プロモーション
ナレーションがない動画ですが、展開としてはPREPの手法を使っています。業界内でトップシェアを誇る会社の営業ツールとして制作した動画で、「研修会の案内→おすすめの理由3つ→理由の詳細やアンケート→研修への申込誘導」というPREPの構成そのままです。
事例2:光学顕微鏡システムデモ
業界内で高いシェアを持つ光学顕微鏡システムの営業ツール動画です。研究者など専門知識が高い相手が対象のため、2つのユニットをそれぞれPREPのフレームワークで説明しています。
IREP法——まだ課題に気づいていない相手に使う

IREPはPREPとよく似た構造ですが、「問題の提示」から始まる点が大きく違います。「実は困っているけど原因がわからない」「当たり前だと思っていたけど実は違った」——そんな気づきを与え、ニーズ喚起することが、この手法の狙いです。
課題にまだ気づいていない相手や、初見の方にも届く構成なので、展示会・動画広告など、購買プロセスの早い段階での活用に向いています。
事例1:ノーコードアプリ開発ツール紹介
冒頭3秒でマーケティング・システム担当者のアプリ開発に対する課題や問題点を提示し、サービスの概要を15秒で説明。その後10以上の機能をナレーションすることで、視聴者に「これは自分ごとかもしれない」という引っかかりを覚えてもらうことを目的としています。
事例2:タクシーアプリ紹介
日常でありがちなタクシー待ちの悩みをいくつか散りばめながら、アプリの使いやすさと課題の解決を伝える構成です。IREPの「問題→原因→解決」の流れが、体験型の映像で自然に表現されています。
DESC法——事実を起点に行動を促す

起きている事実を伝え、その感情や原因を示したうえで、解決策に導く構成です。一方的に結論を押しつけるのではなく、視聴者自身に「では自分はどうすればいいか」を考えてもらうのがDESCの特徴です。アサーティブ(自分も他人も尊重する)な構成、とも言われます。
事実の描写が中心になるため、教育コンテンツや啓発動画で多く使われます。また、オウンドメディアの記事から動画へ誘導する導線としても有効です。
事例1:セキュリティソフト紹介
冒頭は「悩みの提示」に見えるかもしれませんが、実際は「サイバー犯罪が増えている」という事実から始まっています。原因を示し、解決策として製品を案内する流れは、まさにDESCです。「聞き手に考えてもらう」というDESCの特徴が、シナリオ全体に表れています。
事例2:環境問題の啓発動画
ミツバチの視点で環境問題の事実と感情を伝えるという、DESC法を使いながら「視点」を工夫した事例です。マクロな環境問題と個人の行動を結びつけ、「自分に何ができるか」を考えさせる構成になっています。
構成の外側に「仕掛け」を入れる

構成が決まれば、動画としての流れは固まります。ただ、尺が長くなってくると、単純な構成だけでは視聴者の興味を最後まで維持しきれないこともあります。そのような場合によく使われるのが、構成に加えた「演出的な仕掛け」です。
構成を多重化する(事例のタイミングで物語形式を差し込むなど)、チャプターに分ける(情報量をコントロールして各章を短く保つ)といった手法のほか、プレゼンのアイスブレイクのように、意外性で注意を引く仕掛けも使われます。
構造的演出:保険商材研修
保険募集代理店向けに意外性のある研修動画として制作しました。予告編と本編に分けて制作し、予告編では壮大なヒューマンドラマを匂わせながら、本編はコメディタッチで進行する——この落差そのものが仕掛けになっています。
オチ的演出:ダイエットアプリ紹介
アニメならではのデフォルメを最大限活用した事例です。アプリ名を叫んでいる間に体型が変わるという、現実ではあり得ないスピード感の演出が、視聴者の記憶に残る仕掛けになっています。
構成が決まれば、台本の8割は終わっている

動画台本の難しさは、「構成が決まるまで」の段階に集中しています。「誰に」「何を」「どんな順番で」が固まれば、あとは内容を肉付けするだけです。
PREP・IREP・DESCのどれが自社の動画に合うかを考えるところから始めてみてください。迷ったときや、台本作りから動画制作まで一緒に進めたいときは、お気軽にご相談ください。
Q.
動画の台本はプレゼン資料と同じ考え方で作っていいのですか?
Q.
台本の構成にはどんなパターンがありますか?
Q.
PREP法とIREP法はどう使い分ければいいですか?
Q.
台本作りから動画制作まで相談できますか?
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