2025年の崖と呼ばれる、旧来の基幹系システム刷新ニーズに対する技術者不足問題。IT業界の人材不足は喫緊の課題となっています。即戦力が必要な業界であり、人材の育成にも非常に時間がかかるのがこのIT業界。人手不足とはいっても「未経験大歓迎」「誰でもウェルカム」というわけにもいかないのが非常に難しい所です。そんな中でもうまく求職者をフィルタリングをしながらSNSでの採用PRを進めているIT企業の事例をご紹介します。
社名を出さないSNS広報活動
人材の育成に非常に時間もコストもかかるこの業界。そもそもIT業界を志望する求職者はITリテラシーも高く、様々な情報ソースをオンラインで検索することができますし、フリーランスを含めIT技術者向けの様々な仕事の紹介ソリューションがあるため、他の業界に比べてSNSの活用方法も一味違うのがこのIT業界です。
ITやマーケティング会社の事例で面白いのは「社名を出さないアカウント」が多いことです。
他業界では社長の個人アカウントの体でSNS採用を進めている事例がありましたが、ITやマーケティング業界では「アカウントやキャラクターをプロデュースする」という運用がされている企業が多くあります。SNS採用を進めるIT企業では事業内容がBtoBというケースも多く、求職者に社名を知ってもらうよりも、職場の雰囲気や働いている人のイメージなどから興味を持ってもらうことや、業界の話題やあるあるなどからフォロワーとのコミュニケーションを取るという広報活動が多く取り入れられています。
株式会社Y’s
都内でSESからWEB・動画、マーケティングまで広い範囲で事業を展開する企業です。「IT企業がチョロすぎる」というアカウントで運営されています。社長(現在は副社長)がほぼすべての動画に出ていて、担当の方・社長も楽しんで撮影している雰囲気が伝わります。LINEの裏技動画で100万再生を突破しており、豆知識系は強いコンテンツだと感じます。2月に投稿された「恐怖画像」の動画は手軽な企画ですが、ハッシュタグの利用とパロディ風的な構成で、クスっとなってしまう動画です。
株式会社インプル
札幌のアプリ開発会社です。元中華シェフのエンジニアがオフィスの一角で料理をするという、まったく事業と関係ないショート動画をどんどん投稿しています。この動画がとても上手だと思うのは、業務中のスタッフが試食を兼ねて自然に出演されていて、異色の企画に対して会社全体がバックアップをしているという雰囲気の良さや風通しの良さを感じさせることです。
株式会社YNP
都内でSES事業を行っている会社です。「とにかく明るいユースケ✨」というアカウント名で運営されています。IT業界では男性が8割のところ、なんと女性比率99%という女性中心の会社です。ほぼ毎日のように動画が投稿されており、その企画範囲も非常に多彩です。ほぼエンタメ動画が中心となっており最近は社長をはじめ、SNSの担当の方がクイズやゲームをする動画が中心になっています。社員の方が出演するクイズ系はコメントも多く、視聴数以上のエンゲージメント効果がありそうです。