社内内製での動画制作あるある!5つの失敗と12の原因(前編)

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「社内向けだから」「趣味で作ってるから」「スマホでできそうだから」「予算が取れないから」

動画を社内の内製で作ろうという話は多くの企業で聞かれます。
スマホやPCの高性能化、動画編集ソフトの普及などもあり、動画を手軽に作る機会が増えています。

今回は、ビジネス動画を社内で作るときにありがちな「5つの失敗と12の原因」をご紹介します。

ありがちな5つの失敗

内製で動画制作をすると起きがちな結果はほとんどの場合、次の5つに集約されます。

    1.長い・長すぎる
    2.わかりづらい
    3.ダサい
    4.リスクにおびえる
    5.思ったより手間がかかる

制作が進めば進むほど、失敗の原因の解消から遠のいていきます。
つまり、これらは 制作段階での原因が引き起こすのです。
次頁から、具体的な「5つの失敗を引き起こす12の原因」について解説します。
まずは、「映像完成後に判明しがちな3つの失敗」です。


あるある失敗1 長い・長すぎる

一番多い失敗です。この失敗は「趣味の動画」を作っている時には表に出てきません。
趣味で作った動画は辛辣な評価はされませんし、長いことで評価があがるケースもあります。しかしビジネス用途の動画では尺の長さは重要なポイントになります。

「研修用動画を詰め込み過ぎた」「メッセージを伝えるために、気合を入れ過ぎた」
ビジネス用途での動画の場合、情報の伝達量をコントロールすることは非常に重要になります。内製で作った動画、こんなことになっていないでしょうか?

原因1:情報量多過ぎ

伝える優先順位を決めましたか?

視聴者に伝えたい情報量が多過ぎる結果動画が長くなってしまう、というのは多くの事例で見られます。人間の記憶は、短期的に記憶されたもの長期的な記憶へと変化していきます。
メッセージを記憶に残してもらうために、伝える情報は多くても「7±2(認知心理学の分野において、人間が短期記憶として保持可能といわれる最大数。通称マジカルナンバー7)」以内を心掛けましょう。

原因2:情報詰め過ぎ

細部まで説明しようとしてませんか?

多くの情報量を動画に詰め込むために、できる限り短い時間でたくさんの情報を見せるというケースもよく見られます。視覚情報認知・聴覚情報認知の遅い方に合わせることで、視聴者の理解速度の目安にすることが可能です。文字換算で300~350文字/分を目安に、適切な情報量を心掛けましょう。

原因3:遠回りし過ぎ

余計なシーンは多くないですか?

比喩や事例などで理解の定着を図ることであったり、要所要所で「まとめ」を入れることも非常に重要です。しかしながら、演出が多すぎる、補足の補足が必要になる、動画全体の流れが分かりづらくなるなどの弊害も生まれかねません。動画の制作前に必ず「構成決め」を行うようにしましょう。


あるある失敗2 見た目が悪い

次に多い失敗は「見た目」に関する失敗です。「スライドの方が見やすい」「見てると疲れる」。内製では「見た目」を軽視されがちですが、難しい情報伝達が必要なときほど「見た目」は大事になってきます。「内容はわかりやすいのだけど…」「長さはちょうどいいんだけど…」こんな、条件付き高評価、うけていませんか?内容の良し悪しも大事ですが、情報を伝える目的を達成するには「見た目」も大事です。

原因4:カメラが動き過ぎ

編集での「つなぎ」を考慮して撮影できましたか?

高倍率ズームや手振れ補正など、撮影機材の進化により、「動画を撮る」ことは簡単になってきています。しかしこれらの機能を多用すると、忙しない印象を持たれてしまったり、場合によっては「画面酔い」を引き起こす原因になりかねません。多少面白みがないと感じても、カメラを固定して撮影する、前後の余韻も含めて、6~10秒/シーンを目安に撮影するなどの心がけにより、「見やすい動画」に近づけることができます。

原因5:統一感無さ過ぎ

各種の素材のトーン&マナーは合わせましたか?

近年のバラエティ番組などで様々なデザインのテロップやイラストが使われています。しかしながら、これらのデザインは様々な経験に裏打ちされた「考え抜かれたデザイン」であり、安易に真似をしようとすると、動画自体のクオリティを損ねるだけでなく、視聴者にとって大事なポイントが伝わりにくい、という結果を引き起こします。テロップ・イラストなどのトーン&マナーを意識したり、素材のカラーリングや配置をそろえるなど、統一感を持たせることを意識しましょう。


あるある失敗3 わかりづらい

面と向かって言われないけど「実はそう思われてる」のは「わかりづらい」という評価。
視聴者にとっても「実はわからないのは自分だけ?」となってしまうのは怖いので、違う理由付けでダメ出しをされます。
動画を作ってみたものの「結局別のツールでの補足が必要になる」「同じような質問や問合せがくる」。こんなことになっていないでしょうか?
個人で動画制作を進めてしまうと客観的な視点を忘れてしまい、制作者視点になりがちです。

原因6:専門用語多過ぎ

視聴者のリテラシー考えましたか?

動画を社内内製で制作する多くの場合、特定の業務に精通していたり、社内の専門家のアドバイスを受けやすい立場にあるケースが一般的です。そのため、制作が進んでいくと「玄人にしかわからない動画」に近づいていく事例が多くみられます。動画制作を内製で行う場合には、テーマとなる業務とは関係ないメンバーを入れることなどで、玄人や専門家にしかわからない偏った情報をわかりやすくするという効果が見込まれます。

原因7:テロップ多過ぎ

文字だけで伝えようとしてませんか?

視聴者にテロップで注意付けをする手法はほとんどの場合有効ですが、これも多すぎると考えものです。視聴者の脳内では、絵や図表といった文字で構成されない視覚情報、ナレーションやインタビューなどの聴覚情報など、様々な情報の理解と整理が行われています。文字情報に頼りすぎると、動画から得られる他の近く情報との整理が優先されてしまい、本当に見てもらいたい部分の理解があいまいになってしまうということも考えられます。テロップの挿入は、あくまでも「動画で伝えられない」部分を補足するものであることを忘れないようにしましょう。

原因8:音声が悪過ぎ

撮影時の音声チェック大丈夫ですか?

近年の撮影機材の音声の収録機能は音質も高く、高機能化しています。そのため「取りたくない音声まで収録してしまう」ことも多くあります。編集段階で気づいて、重要なインタビューのメッセージやキーワードを泣く泣く削除した、といった経験を持つ方もいるのではないでしょうか。機材により設定方法は様々ですが、多くの場合「撮影時にイヤホンで収録音を聞く」ということだけで予防できるケースもあります。音量の大小やノイズ有無など、撮影時にわかればできる対処もたくさんあります。是非、撮影時には音声のチェックも行える環境を準備してください。


前編のまとめ

いかがでしたでしょうか?業務で動画を作った方ほど、「あるある!」と思っていただけたのではないでしょうか?
今回は「映像完成後に判明しがちな3つの失敗」からまとめてみました。
次回は「作ってみてわかる」「制作側にしかわからない」目に見えにくい2つの失敗、そして社内内製で動画制作を検討する際に考えてほしいことについて掘り下げてみます。

社内内製での動画制作あるある!5つの失敗と12の原因(後編)


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