【スマービーAIリリース】生成AIでセルアニメ動画を作る方法とは?

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スマービーニュースでは、海外の動画マーケティングトピックスなど最新のマーケティングニュースや生成AIを活用した動画のトレンドをお届けしています。

昨年末から試験的に運用を開始した「生成AI」を活用した動画制作。さまざまな試行錯誤を経て、ついに セルアニメ風ショートストーリー動画制作サービス 「スマービーAI」 をリリースしました!

今回は、スマービーAIを使った制作事例をもとに、 生成AIによるセルアニメ動画の制作フロー をご紹介します。

制作事例

この動画はスマービーAIのサービスで制作した動画です。「生成AIによって作られたキャラクターが世界を席巻する」というIPキャラクタービジネスの未来を描いています。

スマービーAIの制作フロー

スマービーAIは標準納期を 1週間 とし、大きく5つの工程を経て動画を制作します。今回の事例では初回打ち合わせから登場人物設計が今回不要だったため、6日で納品しています。

1日目:ヒアリング

オンラインでの打ち合わせを行い、ストーリーやキャラクターの方向性を決定します。

2日目:登場人物設計

登場するキャラクターのキャラクターシートを作成します。

3日目:シーン原画

画像生成AIにより、動画の元となる原画を制作します。

5日目:アニメ化

動画生成AIを活用し、原画からアニメーションを作成します。

7日目:BGM・音声

音楽やナレーションを追加し、動画を納品します。

実際に制作された動画の各工程の中間成果物を見ながら、具体的な制作フローを解説します。

ヒアリング – ストーリーとキャラクターの方向性決定

最初のヒアリングでは、以下の点を中心に要望を伺います。

  • どんなストーリーにしたいか
  • どんなキャラクターを登場させたいか
  • どんなシーンを入れたいか

6シーン以内で完結するストーリーとなるため、 できる限りシンプルな構成・プロット にするのがポイントです。また、生成AIでは複雑なキャラクターデザインを一貫して再現するのが難しいため、以下のような特徴的なアイコンを決めておくと、キャラクターの統一感が出やすくなります。このヒアリングで登場人物の特徴を整理します。AIの特性上、再現が難しいシーンやキャラクター造形もあるため、どこまで許容できるのか、もしくは制作を中断するかを判断します。

AIというツールを使う上で大事なのは「できないこと」を把握しておくことであり、ヒアリングの段階でリスクと回避策を共有し、実現可能なシナリオやデザインの方向性を決定し、テキストコンテ(プロット)に落とし込みます。

登場人物設計 – キャラクターの再現性を高める

ヒアリングで決定したキャラクターをもとに、 生成AIを活用してキャラクターシートを制作します。このキャラクターシートは、次工程(シーン原画制作)をスムーズに進めるための重要な資料となります。そのため、単にキャラクターのデザインを固定する作業ではなく、さまざまな向きや姿勢を生成することで、シーンごとのキャラクターの再現性を高めます。

キャラクターシートでは、正面・横・後ろ向きなど、異なるアングルのバリエーションや、立ち姿・座り姿・歩いている動作 など、基本的な動きを同一キャラクターで生成します。このとき、具体的な資料写真を活用 することで、キャラクターのビジュアルを 想定されるイメージに近づけることができます。特に、特定の職業や時代背景を持つキャラクターの場合、実際の服装やポーズの資料を参考にすることで、一貫性のある説得力のあるデザインにしていくことが可能になります。

この工程で作成したキャラクターシートをもとに、次の シーン原画制作 へと進みます。

シーン原画 – シナリオをビジュアル化

テキストコンテとキャラクターシートをもとに、画像生成用のプロンプトを作成し、シーン原画を制作します。このシーン原画は、ストーリーのビジュアルイメージを確定 し、次のアニメ化工程にスムーズに移行するための重要なステップとなります。

シーン原画の役割と流れ

シーン原画にOKが出たら、そのままアニメ化プロセスへ移行 します。エラーやNGが発生した場合でも、基本的には次工程(アニメ化段階)で調整しますが、認識のズレが大きい場合は、テキストコンテ(プロット)の書き直しや、シーン原画を再出力しレビューを行い修正します。

 

よくあるエラーと対応

シーン原画の段階で発生しやすいエラーとして、以下のようなケースがあります。

背景のイメージが合わない

例)「未来的なオフィスのはずが、クラシックなデザインになってしまった」

対応策: 背景のプロンプトを修正し、意図に合う画像を再生成

小道具などのディテールに違和感がある

例)「キャラクターが持っているスマホが、昔の携帯電話のようになってしまった」

対応策: アニメ化工程で修正することを前提に、重要な小道具のみ再生成

キャラクターが既存の有名キャラクターに似てしまう

例)「丸いぬいぐるみのようなキャラクターを作成したが、ポケモンのようなデザインになってしまった」

対応策: キャラクターシートを再度調整し、特徴を変更(髪型や色、服装などを調整して独自性を出す)

シーン原画のレビュー方針

細かいエラーは次工程(アニメ化)で修正する前提で進行 することで、AIアニメの大きな特徴でもある「スピーディーな制作」を実現しています。ストーリーの流れや全体のトーンを統一することを最優先にし、細部の調整は柔軟に対応していきます。このシーン原画の承認をもって、次のアニメ化工程に進みます。

アニメ化 – 生成AIで映像を作成

シーン原画にOKが出たら、動画生成AIの Image to Video 機能 を活用し、アニメーションを作成します。動画生成AIには ツールごとに得意・不得意な表現 があるため、シーンの特性に合わせて適切なAIを選択しながら制作を進めます。

 

アニメ化のアプローチ

基本的にはシーン原画とテキストコンテに沿って 動画を制作しますが、必ずしもコンテの通りに進めるわけではありません。ストーリー構成に違和感がなく、十分なクオリティが出る場合は、柔軟なアプローチを取り入れることもあります。

AIによる動画生成結果が予想以上に良かった場合、例えば「キャラクターの表情が自然に変化している」「背景の動きが想定以上に美しい」といった場合には、予定していたコンテの一部を変更し、新しい映像表現を積極的に採用します。

逆に特定のシーンが想定通りに出力されない場合、例えば「AIの生成結果が不安定で、キャラクターのポーズがバラつく」といった場合には、そのシーンだけ別のAIツールを使用したり、簡潔なカットで補完したり、別のシーン提案を行います。

このアニメ化のプロセスを経て、最終工程である BGM・音声の追加 へと進みます。

BGM・音声 – 作品に命を吹き込む

最後に、生成された動画にBGMや音声を追加します。スマービーAIでは基本的には自動音声を利用しますが、オプションでクレジット表記の削除や、プロのナレーターによるアフレコも可能です。

生成AIでアニメを作るメリット

生成AIを活用したアニメーション制作は急速に進化し、多くのクリエイターや企業が導入を始めています。従来の手描きやCGアニメ制作と比較すると、以下のようなメリットがあります。

短期間でアニメーションを制作できる

従来のアニメ制作では、絵コンテ作成から動画編集まで数週間〜数ヶ月かかることが一般的です。しかし、生成AIを活用すると、最短1週間で高品質なセルアニメ風動画を制作できます。マービーAIでは、1週間で納品可能な体制を整えています。

コストを大幅に削減できる

通常、アニメーション制作にはイラストレーター・アニメーター・動画編集者など多くの人件費がかかるため、費用が高額になりがちです。生成AIを使うことで、デザイン・アニメーション生成を自動化し、人件費や制作コストを大幅に抑えることができます。

 30秒のアニメーション制作費用(従来 vs 生成AI)

  • 従来のセルアニメ制作:100万円~
  • 生成AIを活用したアニメ制作:10万〜

柔軟なデザイン調整が可能

従来のアニメ制作では、キャラクターの衣装や背景の修正、シーンの微調整を行うには新たに作画を起こしたり背景を描き直す必要があり、多くの時間とコストがかかるのが一般的でした。しかし、生成AIを活用すれば、柔軟なデザイン調整が短時間で可能になります。

特に、季節や時間帯の変更やパターン出しなど同一のテイストで異なるシチュエーションのアニメを制作する場合、例えば、同じシーンでも桜が咲いている春の景色にするのか、紅葉が広がる秋の風景にするといった修正や変更を容易に行うことできます。

この柔軟性により、企業のプロモーション動画やSNS広告などで季節感を取り入れた映像制作が簡単になり、マーケティング施策の幅が広がるというメリットがあります。

生成AIを活用したアニメ制作のデメリット

一方で、生成AIを活用したアニメ制作にはいくつかの課題もあります。

一貫したキャラクターデザインの維持が難しい

生成AIは毎回ゼロから画像を生成するため、シーンごとにキャラクターの顔や服装が微妙に変わってしまうことがあります。これを防ぐために、スマービーAIではキャラクターシートを作成し、統一感のあるデザインを維持しています。

複雑な動きや表現が難しい

AI生成アニメは、シンプルな動きやカット割りには適していますが、繊細なアニメーション(戦闘シーン・激しいアクションなど)を再現するのは難しい場合があります。このため、スマービーAIではAIの特性に合わせたストーリー設計を行い、無理なく映像を作れるよう工夫しています。

AIの出力結果が安定しない場合がある

AIの生成結果は、プロンプトの書き方や使用するツールによって大きく変わることがあります。同じ指示を出しても、毎回異なる映像が生成されるため、想定通りの出力が得られないこともあります。この問題を解決するために、スマービーAIでは複数のAIツールを使い分け、安定した映像を出力する仕組みを導入しています。

生成AIで手軽にセルアニメ動画を制作

スマービーAIでは、生成AIを活用したセルアニメ風のショートストーリー動画を、わずか1週間で制作します。従来のアニメ制作と比べて、短期間・低コスト・柔軟なデザイン調整が可能という大きなメリットがあります。そして、高いクオリティを実現するため、AIの特性にあわせたプロット作成、シーン原画を活用したスムーズなアニメ化作業など、従来の動画制作ノウハウをAIアニメの現場にも取り入れています。AIならではの課題として、一貫性のあるキャラクターデザインの維持が難しい、細かい動きの表現が制限されるなどのデメリットもありますが、スマービーAIでは事前のキャラクターシートの作成によるデザイン統一や、複数のAIツールの組み合わせによって、より安定したクオリティの映像制作を実現しています。

スマービーAIの特徴

1週間でセルアニメ風のショート動画を制作
生成AIの特性を活かし、短期間・低コストでアニメ制作が可能
キャラクターのデザイン統一・背景の変更など、柔軟なカスタマイズ対応
AIの出力結果にバラつきが生じる場合も、複数のツールを駆使して調整
BGM・音声を加え、プロフェッショナルな仕上がり

制作の流れを振り返る

1️⃣ ヒアリング – ストーリーやキャラクターの方向性を決定
2️⃣ 登場人物設計 – キャラクターシートを作成し、デザインを統一
3️⃣ シーン原画制作 – 画像生成AIを活用し、ビジュアルの方向性を決定
4️⃣ アニメ化 – Image to Video技術を活用し、スムーズな動画化を実現
5️⃣ BGM・音声追加 – 映像に合わせたサウンドデザインを施し、完成度を向上

生成AIがもたらす新しいアニメ制作の形

従来のアニメ制作では、手描きやCGによる作画、キャラクターアニメーション、映像編集など、時間と労力を要する工程が多く存在しました。しかし、生成AIの進化によって、プロンプト(指示文)を活用することで、これまで数週間〜数ヶ月かかっていた作業を、わずか数日で完了できるようになりました。特にマーケティングやプロモーション用途においては、短期間でコンテンツを量産しやすくなり、広告やSNS向けの映像制作が手軽に行えるようになったことが、大きな変革と言えます。一方で、完全にAI任せにするのではなく、人の手による最適化や編集が必要になるケースも多いため、当面はAIとクリエイターの協力によるハイブリッドな制作手法が重要であると考えています。

「スマービーAI」 を活用すれば、短期間で高品質なアニメーションを手軽に制作可能です。これまでセルアニメ制作は「時間がかかる」「コストが高い」といったハードルがありましたが、生成AIの活用によって、より多くの企業や個人がアニメーションをマーケティングやコンテンツ制作に取り入れやすくなりました。

スマービーAIで生成AIを活用した新しいアニメ制作の可能性をぜひご体験ください!