もう一度抑えておきたい!YouTubeのTrueView広告の基本【実践編】

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今回は、TrueView広告の【実践編】として、TrueView・バンパー広告の出稿方法や、最適化のコツなどを紹介してまいりたいと思います。

TrueView・バンパー広告の概要やメリットなど、基礎的な内容については、以前の記事を参考にしてください。

もう一度抑えておきたい!YouTubeのTrueView広告の基本【入門編】

出稿の前にこれをチェック!

まず、TrueView・バンパーの出稿設定を行う前に、以下の項目をチェックしておきましょう。

目的・目標を考える

動画広告を通して何がしたいのかによって、広告設定の内容は大幅に変わってきます。そこで、事前に施策の目的や目標を明確にしておく必要があります。

施策の目的や目標を予め具体的にしておくことで、何を目標達成の指標とすればよいのかが明確になり、配信中・配信後のPDCAが回しやすくなります。

例えば、「テキスト広告やバナー広告では取りきれなかったユーザーへ動画広告を使って認知獲得を行い、そのユーザーをリマーケティングリストとして活用する」という目的の場合であれば、認知獲得の指標や獲得できたリストのボリューム、態度変容などが主な効果指標になりますし、「短期的なダイレクトマーケティング施策の一部として実行し、動画広告からサイトへ誘導して資料請求や購入に結び付ける」といったような内容であれば、コンバージョンやCPAなどが効果指標になってきます。

初めて動画広告を実施する方は、実際に動画広告を配信してみなければ分からないという部分が多々あるとは思いますが、予算と照らし合わせながら、効果指標を可能な限り定量的に定めておくことで、施策を実行したあとの改善プロセスが機能しやすいと思います。

配信するターゲットを考える

商品・サービス自体を生み出す過程や、動画を制作する過程で、既に十分に練られている場合が多いと思いますが、TrueViewやバンパー広告では細かいターゲティング機能が用意されているため、事前にターゲット像を明確にしておいた方が設定がスムーズに進みます。

上記で検討した目的や目標を達成するにあたり、どのようなユーザーにリーチするのが好ましいのかという点をもう一度整理しておきましょう。

動画広告素材が問題ないかチェックする

TrueView・バンパー広告では、YouTube動画を使用して動画広告を配信します。YouTubeにアップできる動画素材かどうかを事前に確認しておきましょう。

バンパー広告の場合は、動画が6秒以内である必要があるので注意が必要です。

高度なエンコード設定 – YouTube ヘルプ


出稿方法

それでは早速、動画広告の出稿の手順を見ていきましょう。
※以降、記載の内容は「2016/10/19」時点のものです。最新のものとは異なる場合がございますので注意してください

1.必要なアカウントを準備する

必要になるアカウントは、「Google AdWords」と「YouTube」です。これらを利用するにあたっては、Googleが提供するサービスを利用するための「Googleアカウント」が必要です。各種アカウントの準備

もし、Googleアカウントがない場合は、以下から登録してください。

Googleアカウントの作成 – Googleアカウント

Googleアカウントが準備できたら、Google AdWordsのアカウントを以下の手順に沿って実施してください。

AdWords アカウントを作成する – AdWordsヘルプ

なお、AdWordsの新規利用促進施策として、Google自体がキャンペーンを実施している場合がありますので、新たに始める場合は、できるだけそちらの特典をご利用ください。

「アドワーズ クーポン」などと検索すると、該当の情報が出てくると思います。なお、2016年7月現在では、2,500円の広告費が消費された時点で、7,500円のクレジットが付与されるクーポンが配布されています。

「アドワーズ クーポン」

アドワーズのクーポンの入手

Gooleアドワーズのアカウントが準備できたら、次はYouTubeです。YouTubeは、Googleアカントがあればすぐに利用できますが、動画のアップロード等を行うには、「チャンネル」というものを作成する必要があります。

法人名など、チャンネル名をGoogleアカウントの名前でない利用で作成したい場合は注意が必要です。詳しくは以下をご覧ください。

新しいチャンネルの作成 – YouTubeヘルプ

また、YouTubeチャンネルとGoogle AdWordsアカウントのリンク、YouTubeチャンネルとGoogleアナリティクスの統合、GoogkeアナリティクスとAdWordsアカウントのリンクをしておくと、使える機能が増えて色々と便利になりますので、以下のURLを参考に設定しておくことをオススメいたします。
※Googleアナリティクスについての説明はここでは割愛させていただきます。詳しくは公式WEBサイトをご覧ください。

YouTube チャンネルと AdWords アカウントとのリンク – YouTubeヘルプ
チャンネルの詳細設定の管理 – YouTubeヘルプ
Google アナリティクスと AdWords をリンクする – AdWordsヘルプ

2.広告素材の動画をアップする

各種アカウントの準備ができたら、広告で使用する動画素材をアップしましょう。

YouTubeへアクセスして、右上の「アップロード」をクリックし、続いて「アップロードするファイルを選択」をクリックし、対象のファイルを選択します。

動画素材のアップロード

動画素材のアップロード

なお、動画のアップロードには、公開/限定公開/非公開の3種類のオプションが用意されています。通常は公開で問題ありませんが、広告以外の場所で動画の再生・検索が行われないようにする場合は、限定公開に設定してください。

3.キャンペーンを設定する

動画広告の素材が準備ができたら、次は広告の設定を行っていきます。

3-1.キャンペーンの作成

Googleアドワーズにログインしたあと、上部のメニューからキャンペーンをクリックし、「+キャンペーン」のボタンから「動画」を選択します。

キャンペーンの作成

キャンペーンの作成

3-2.キャンペーン名とキャンペーンタイプの設定

キャンペーンの詳細設定の画面に移りますので、「キャンペーン名」の欄にキャンペーン名を入力し、キャンペーンタイプの詳細を選択します。

キャンペーン名の設定

キャンペーン名の設定

通常のTrueView広告・バンパー広告の場合は、デフォルトで選択されている「標準」のままで問題ありません。「モバイルアプリのインストール」「ショッピング」については【基礎編】の記事をご覧ください。

TrueViewのインストリーム・ディスカバリーの場合は、動画広告のフォーマットを「In-stream or video discovery ads」、バンパーの場合は「Bumper ads: 6-second video ads」を選択してください。

3-3.予算と配信方法の設定

次に、予算と配信方法を設定していきます。

予算と配信方法の設定

予算と配信方法の設定

個別予算では、このキャンペーンに限定して1日あたりの予算を定めることができ、共有予算では複数のキャンペーンにまたがって予算配分することができます。

なお、ここで設定する個別予算は、1ヶ月間での平均額のため、実際に1日でかかる費用の上限とは異なる点にご注意ください。日によっては費用が最大120%になります。

また、共通予算では、各キャンペーンに配分される予算を自動調整する機能があるので、複数のキャンペーンを走らせる場合で、個々のキャンペーンを監視して最適化する十分なリソースが確保できない場合などに適宜使用してください。共通予算の詳細については、以下からご覧いただけます。

キャンペーン間の予算共有の管理 – AdWordsヘルプ

配信方法は特別な理由がない限り「標準」を選択します。「集中化」を選んだ場合は、1日の予算を早い時間帯に使いきってまうため、1日の後半では広告がほとんど表示されなくなるといった現象が発生します。

この際の単価設定は、TrueViewの場合「上限広告視聴単価(CPV)」、バンパーの場合「上限インプレッション単価(CPM)」となります。

3-4.掲載ネットワークの設定

掲載ネットワークの設定では、「YouTube検索」「YouTube動画」「ディプレイネットワークの動画パートナー」の3つのチェックボックスが用意されており、TrueViewの場合はすべて選択可能、バンパーの場合は「YouTube動画」「ディプレイネットワークの動画パートナー」のみ選択可能です。

掲載ネットワークの設定

掲載ネットワークの設定

YouTubeの検索結果ページに動画広告を表示したい場合は「YouTube検索」、YouTube のホームページ・動画再生ページ・チャンネルページに動画広告を掲載したい場合は、「YouTube動画」を選択してください。

「ディプレイネットワークの動画パートナー」を選択すると、AdWords 広告の表示対象となる 200 万以上のウェブサイトや動画、アプリで構成されるネットワークである「Googleディスプレイネットワーク(略GDN)」にも掲載することができます。

なお、それぞれの掲載ネットワークごとに、使用できるTrueViewフォーマットが決まっており、「YouTube検索」ではディスカバリー広告のみ、「YouTube動画」ではディスカバリー広告とインストリーム広告、そしてバンパー広告が使用できます。

3-5.地域・言語・デバイスの設定

続いて、広告を掲載(または除外)する地域、ユーザーの言語、ターゲットするデバイスを設定します。

地域の設定では、国や都市だけでなく、具体的な地域名や郵便番号などでも指定が可能です。また、デバイスの設定では、オペレーティングシステムや端末のモデル、携帯電話会社を指定することができます。

地域・言語・デバイスの設定

地域・言語・デバイスの設定

ローカルビジネスの場合は、この時点で配信する地域を絞っておくと良いでしょう。また、デバイスに関しては初期の時点で特に決定要因がなければ、最初はデフォルト通りに全てのデバイスへ向けて配信し、広告のパフォーマンスを見てからチューニングすることをオススメいたします。

3-6.配信スケジュールの設定

ここからは詳細設定に移ります。まずは、キャンペーンの開始日・終了日と、何曜日のどの時間帯に配信を行うかを設定します。

配信スケジュールの設定

配信スケジュールの設定

広告のスケジュール設定に関しては、想定するターゲットの行動特性から、適切な時間帯を設定していきましょう。ここでも、初期設定時点では机上の想定でむやみに絞り過ぎないようにすることをオススメいたします。

3-7.広告のローテーションの設定

広告のローテーションは、動画広告を複数運用する場合に関連してくる項目です。この項目では、「視聴回数重視で最適化」「コンバージョン重視で最適化」「広告を均等に表示」の3つの選択肢が用意されています。

視聴回数重視の場合は、単純に視聴回数が多い広告がより頻繁に配信され、コンバージョン重視の場合は、コンバージョン率が高い広告がより頻繁に配信されるようになります。均等に表示は読んで文字の通り、全ての広告をほぼ同じ頻度で配信することができます。

広告のローテーションの設定

広告のローテーションの設定

3-8.フリークエンシーキャップの設定

フリークエンシーキャップは、指定した期間内に1人のユーザーへ広告を表示する回数に制限がかけられます。

フリークエンシーキャップの設定

フリークエンシーキャップの設定

適切に設定することにより、無駄な予算の削減やユーザーへのマイナスイメージを軽減につながります。

3-9.コンテンツの除外の設定

コンテンツの除外設定では、広告を表示させたくないコンテンツの内容を設定できる他、埋め込み動画には広告を表示させないといった設定が可能です。

コンテンツの除外設定

コンテンツの除外設定

デフォルトでは「成人向けとラベル未指定のコンテンツを除くすべてのコンテンツ」になっていますが、更に惨事・紛争に関するトピックやデリケートな社会問題を扱ったコンテンツを除外することも可能です。

こちらの項目で配信ターゲットを除外することで、広告掲載コンテンツを限定し、ブランドイメージを保護することができます。

4.広告グループと広告を設定する

キャンペーンを設定し、「保存して次へ」に進むと、広告グループと広告の作成に移ります。

アカウント・キャンペーン・広告グループ・広告は、下記のように4層構造でそれぞれ親子関係になっています。

キャンペーン・広告グループ・広告の関係性

キャンペーン・広告グループ・広告の関係性

これから設定する広告グループは、「3.キャンペーンを設定する」で設定したキャンペーンの子にあたりますので、さきほどのキャンペーンの設定が適用されます。広告グループには後から他の動画も追加できますが、追加した動画には親となる広告グループの設定が適用されます。

なお、TrueViewの場合、1つの広告グループに追加できるのは、1つのフォーマットの動画広告だけになるため、インストリーム動画広告とディスカバリー動画広告を両方掲載する場合は、別々に広告グループを作成する必要があります。また、TrueViewとバンパー広告を併用する場合は、キャンペーンを別途で作成する必要があります。

例1)TrueViewインストリームとTrueViewディスカバリーを実施する場合
⇒TrueViewインストリームとTrueViewディスカバリーで、それぞれ別の広告グループを作成(同一キャンペーン可)

例2)TrueViewインストリームとバンパー広告を実施する場合
⇒TrueViewインストリームとバンパー広告で、それぞれ別のキャンペーンを作成

4-1.広告グループ名の設定

まずはじめに広告グループ名の設定を行います。

広告グループ名の設定

広告グループ名の設定

4-2.動画の設定とフォーマットの設定

次に「2.広告素材の動画をアップする」で準備した動画広告素材を選択したのち、動画広告のフォーマットを選択します。キャンペーン設定でTrueViewを選択した場合は、インストリーム・ディスカバリーのいずれか、バンパーの場合はバンパーのみが選択可能です。

動画はURLでも指定できますので、テキスト検索して表示されない場合はURLでお試しください。バンパーの場合は6秒以内の動画でないと検索しても表示されません。

動画と動画広告のフォーマットの設定

動画と動画広告のフォーマットの設定

動画広告のフォーマットで、「インストリーム広告」「バンパー広告」を選択した場合は、広告名の他に、動画上に表示するURL・実際に誘導する最終ページURL・動画再生エリアの外の右上に表示されるコンパニオンバナーの画像の指定を行います。

インストリーム広告の設定

インストリーム広告の設定

表示URLと最終URLは同一のドメインである必要があります。誘導先が長いURLになる場合などは、トップレベルのドメインを表示URLに記載するなどしましょう。

また、コンパニオンバナーはデフォルトではチャンネル内の動画から自動生成された画像が使用されますが、より成果をあげるためには、できるだけ視聴者がクリックしたくなるような画像を作成しましょう。なお、コンパニオンバナーの画像サイズは300×60ピクセルで、最大ファイルサイズは150KBとなっています。

Google以外の分析システムを利用している場合は、トラッキングのオプションが用意されているので、こちらでトラッキング情報やURLパラメーターを設定します。

動画広告のフォーマットで、「ディスカバリー広告」を選択した場合は、広告名の他に、見出しと説明行欄に記載するテキスト、リンク先のランディングページ(YouTubeチャンネルページor動画再生ページ)の設定を行います。

ディスカバリー広告の設定

ディスカバリー広告の設定

なお、ディスカバリー広告で表示するサムネイルについては、自動生成されたものの中から選択するかたちになります。

4-3.単価設定

単価設定では、上限広告視聴単価もしくは上限インプレッション単価と、人気動画の入札単価調整を行います。

単価設定

単価設定(TrueViewの場合)

上限広告視聴単価は、1視聴あたりの上限の入札単価のことを指し、上限インプレッション単価は、1,000回表示あたりの上限の入札単価を指します。オークション制である動画広告では、この上限単価が広告のランキングに影響します。

広告のランキングは、入札単価の他に品質スコアを決定する各要素(再生率や広告の関連性等)により決定されます。

つまり、上限単価で高い金額を設定すれば、当然のことながらオークションでより勝ちやすくなり、逆に低い金額を設定すれば、広告のランキングが下がるためオークションで勝ちにくくなります。

なお、ディスカバリー広告をYouTubeの検索結果に表示する場合においては、上限広告視聴単価によって表示される位置にも影響します。

以上も踏まえたうえで、入力欄の右側に表示されている金額を参考にして、上限広告視聴単価もしくは上限インプレッション単価を入力してみましょう。上限広告視聴単価もしくは上限インプレッション単価を入力すると画面の右側に推定表示回数と、平均広告視聴単価もしくは平均インプレッション単価のナビゲーションが表示されますので、それらの数値も踏まえて単価を決定しましょう。

推定表示回数と平均CPVのナビゲーション

推定表示回数と平均CPVのナビゲーション(TrueViewの場合)

下部にある「人気動画の入札単価調整」では、YouTubeやGDNで評判がよく人気の高いコンテンツ(ユーザーエンゲージメントを測るシグナルにて選定されている)に動画広告を掲載する際に入札単価を高めるオプションです。YouTubeネットワークの上位コンテンツは、アメリカ・オーストラリア・イギリス・フランス・ドイツ・カナダのみで適用されます。

4-4.ターゲットの設定(ユーザー層)

単価設定を終えたら、最後にターゲット設定に移ります。まずはユーザー層のターゲット設定から見ていきましょう。

ユーザー層のターゲット設定

ユーザー層のターゲット設定

Googleは全てのユーザーの属性情報を収集・推測できるわけではないので、選択数を減らしターゲットの範囲を狭めてしまうと、ターゲットとなるユーザーの母数が大幅に減少してしまう恐れがあります。デフォルトでは全てONになっていますので、性別・年齢・子供の有無などで明らかに不必要なものがある場合のみ、チェックボックスを外しましょう。

なお、これらの判定は、Googleアカウントにログインしていない状態では、GDNのパートナーサイト訪問履歴に基づきブラウザ単位で識別します。Googleアカウントにログインしている場合は、更にGoogleの設定から取得したユーザー情報や、一部のSNSでユーザーが入力した情報なども使用される可能性があります。

以降のターゲット設定を変更すると、「4-3.単価設定」で表示されていた、推定表示回数・平均広告視聴単価もしくは平均インプレッション単価のナビゲーションの値も変化しますので、値の変化に留意しながら設定してください。

4-5.ターゲットの設定(興味/関心)

次のターゲット設定は興味/関心です。興味/関心の項目では、大きく3つ「アフィニティカテゴリ(リーチ)」「カスタム アフィニティ カテゴリ」「購買意欲の強いユーザー層(ROI)」が存在します。

興味/関心のターゲット設定

興味/関心のターゲット設定

アフィニティカテゴリでは、興味/関心の内容を絞りつつ、広範囲の見込み顧客に対して広告を表示することで、リーチを確保しつつ費用対効果を高めることが可能です。これにより、ブランドや商品の認知度を高めることができます。テレビ広告を行っている広告主などが、動画広告を展開する場合などに最適な方法です。

一方、カスタムアフィニティカテゴリでは、キーワードやURLを指定することで、ターゲットを絞ったアフィニティカテゴリを作成することが可能です。

また、購買意欲の強いユーザー層(ROI)でカテゴリを指定すると、選択したジャンルの商品やサービスについて調べているユーザーや、購入を前向きに検討しているユーザーに広告が表示されやすくなります。ターゲットを購入段階に使いユーザーに絞りたい場合などに活用します。

4-6.その他のターゲット設定

ユーザー層や興味関心の他、オプションで、キーワード・プレースメント・リマーケティング・トピックなどによる、ターゲットの絞り込みが可能です。

その他のターゲティング設定

その他のターゲティング設定

キーワードによるターゲティングでは、選択したキーワードに関連性が高いと思われる、YouTube動画やチャンネル、GDNのWEBサイトやアプリなどに絞り込んで動画広告を表示することができます。

プレースメントによるターゲティングでは、YouTubeチャンネルやYouTube動画、GDNのWEBサイトやモバイルアプリの中から掲載したい場所を絞り込むことができます。

リマーケティングにおけるターゲティングでは、AdWordsのリマーケティングリストや、動画リマーケティングリスト、またはそれらの類似ユーザーを対象として広告を表示することができます。動画リマーケティングリストでは、YouTube動画や動画広告、YouTubeチャンネルの登録者など、より細かくターゲティングすることも可能です。

トピックによるターゲティングでは、具体的な業種や関心事を選択することで、そのトピックに関連するページに広告を表示できます。トピックによるターゲット設定を利用すると、広告を掲載するプレースメントやキーワードを個別に選択する必要がなくなりますが、トピックターゲットを利用できるのは、YouTube動画とGDNのみになります。

以上で全ての設定が完了です。広告グループを保存すれば、広告が審査に回ります。ほとんどの場合は1営業日程度で審査が完了します。

5.Call-to-Action(CTA)オーバーレイについて

CTAオーバーレイとは、動画の左下に表示されるオーバーレイ広告のことを指します。CTAオーバーレイは無料で利用でき、ディスカバリー動画広告とインストリーム動画広告に表示することができます。

このCTAオーバーレイを活用することで、ユーザーへの行動喚起を強めることができます。

Call-to-Action(CTA)オーバーレイの例

CTAオーバーレイの例(出典:Google)

CTAオーバーレイをTrueView広告のみで使用する場合は、AdWordsの該当キャンペーンの画面より「動画」をクリックしたあと、「アナリティクス(ログ解析)」の右側のプルダウンメニューより「Call-to-Actionオーバーレイ」を選択することで設定画面に遷移しますので、そちらで必要項目を入力します。

AdWordsでのCTAオーバイレイ設定

AdWordsでのCTAオーバイレイ設定

YouTube上の自然検索も含めて、CTAオーバーレイを表示したい場合は、YouTubeの「マイチャンネル」をクリック後、「動画の管理」に進み、該当する広告素材の動画の「編集」をクリックします。すると、画面中段に「Call-to-Actionオーバーレイ」のタブが表示され、クリックすると設定画面に遷移しますので、そちらで必要項目を入力します。

YouTubeでのCTAオーバイレイ設定

YouTubeでのCTAオーバイレイ設定

CTAオーバーレイは動画再生後すぐに表示され、15秒経過後に自動的に折りたたまれる使用になっていますが、設定したCTAオーバーレイが動画のクリエイティブに影響を与えていないかも念のため確認しておきましょう。

PCとモバイルで表示レイアウトや、インタラクションが異なる(PCではマウスオーバーで再展開・モバイルではサムネイルか矢印をクリックで再展開)ので、その点にも留意してください。


動画広告配信 最適化のポイント

動画広告を配信したら、Google AdWordsやGoogleアナリティクス・YouTubeアナリティクスなどの各種分析ツールを活用し、最初に立てた目標効果指標と乖離している点はないかをチェックしていきましょう。

広告視聴単価・インプレション単価のチェック

予定した広告視聴単価やインプレッション単価より高くなってしまった場合は、上限入札単価の調整が最も有効ですが、ターゲット設定やキャンペーン設定における配信制限の緩和も対策の一つとして考えることができます。ターゲットを絞っているとオークションでの入札競争が厳しくなるため、広告視聴単価・インプレッション単価が上昇しやすくなります。

また、完全視聴されない可能性があるTrueViewにおいては、視聴率が上がると広告視聴単価が下がりやすくなるため、クリエイティブそのものを変更してしまうというアクションも広告視聴単価最適化の手段として考えられます。

広告視聴単価・インプレッション単価は、Google AdWordsやGoogle アナリティクスで確認できます。

視聴率のチェック

TrueViewでは、視聴率の高い広告は品質スコアが高くなるので、オークションの競り合いにも強く視聴単価が低くなりやすいです。ターゲットが最適か、フリークエンシーが最適かどうかを今一度確認してください。

こちらに関しても、クリエイティブの差し替えは有効な手段です。動画を短く再編集することで視聴率を高める、動画広告素材を増やして視聴者に空きられないようにする、特定箇所の離脱が多いようであれば、その箇所のクリエイティブを見直すなどの対策が考えられます。

当初想定していたよりも、ターゲット層に偏りがある場合もあるので、クリエイティブの差し替えにあたっては、実際に動画を見るユーザーに響く内容になっているかもチェックしてみましょう。

視聴率はGoogle AdWords上でチェックできます。視聴者維持率については、Google AdWordsよりもYouTubeアナリティクスの方が細かく表示されるので、YouTubeアナリティクスを使用した方が改善点が発見しやすいと思います。

クリック率のチェック

クリック率が低くサイトへの誘導がうまくいっていない場合、対策として、CTAオーバーレイの設置・見直しや、効果の低いターゲット条件の除外などが考えられます。

CTAオーバーレイでは、よりクリックしてみたくなるようなフレーズに切り替えてみたり、効果が低いプレースメントの削除などをしてみると良いでしょう。インストリームでコンパニオンバナーを自動生成している場合は、動画の内容を現した魅力的な画像になっているかもチェックしてみましょう。

クリック率は、Google AdWordsやGoogle アナリティクスで確認できます。


最後に

今回は、基礎編から2回に分けて「YouTubeのTrueView広告の基本」についてご紹介させていただきました。

記事内では色々と細かいことを記載していますが、「実行に移す」ということが非常に重要ですので、考えこんで中々前へ進まない場合は、トライアンドエラーの姿勢で、まずは少額予算で、初回の広告を試しに出してみることをオススメいたします。

「TrueView最適化のポイント」で挙げた通り、TrueViewでは、クリエイティブの設計も非常に重要なウエイトを占めます。次回は、TrueViewにおけるクリエイティブのコツや事例などについて、ご紹介していきたいと思います。
TrueViewで効果を最大化するためのクリエイティブ設計

2016/7/29 追記:2016年6月発表のディスカバリー広告について反映しました
2016/10/19 追記:6秒スキップ不可のバンパー広告について反映しました


動画制作・動画マーケティングは「スマービー」


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著者について

TAKAJUN

Smarveeディレクター。 動画TIPS・ハウツー情報を中心に投稿。 犬が好き。