【これぞ職人技!】パワーポイントのアニメーション活用術

【これぞ職人技!】パワーポイントのアニメーション活用術

「プレゼンに動きを入れたい」「人物が歩くシーンを作りたい」。

こうした要望に、パワーポイントのアニメーション機能は今も十分応えられます。一方で最近では、生成AIで作ったGIF・ループ動画を貼り付けるという新しいやり方も現実的な選択肢になってきました。

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この記事では、パワーポイントのアニメーションを基礎から整理しながら、AIという新しい選択肢がどんな場面で有効なのかをあわせて解説します。


パワーポイントのアニメーションには2種類ある


1枚ずつ書くことで細かい動きが作りやすいセルアニメとパーツの変形設定だけで作るモーションアニメ
パワーポイントのアニメーションには2種類ある

そもそも、アニメーションの機能を有するパワーポイントをはじめ、現在使われているCGアニメーションツールではどのようにアニメーションを作っているのでしょうか。アニメーションを作る手法には、大きく2種類あります。


セルアニメ

1コマずつ静止画を書き起こして連続再生する方法。パラパラ漫画がこれです。

アニメ業界でデジタル化が進む以前は、セルと呼ばれる透明なシートを使ってのによるアニメーション制作が中心でした。TVアニメなどで用いられたセルアニメーションでは、セルと呼ばれる透明のフィルムにアニメとして動かしたい部分を1コマずつ書き起こし、動かない背景画等と重ね合わせていくことですべてのコマを静止画の連続で動かします。

デジタル化が進んだ現在でも、基本的には「静止画の連続」という考え方は変わりません。俗にいう「パラパラ漫画」がより高速に動かされていると考えていただければイメージが沸きやすいかと思います。この手法で作るアニメを「セルアニメ」といいます。その中で画面上のすべての絵を細かく動かす「フルアニメーション」、一部だけ動かしたりフレームレートを削減したりして効率化をはかったものを「リミテッドアニメーション」という風に呼んだりします。


モーションアニメ

一方で、CGアニメーションでの主流は「モーションアニメ」です。キーフレームアニメと呼ばれることもあります。モーションアニメーションとは、動かす対象物の開始時点の状態と終了時点の状態を定義し、アルゴリズムを用いて、開始から終了までの中間部分を自動生成することでアニメーションを生成します。この場合、設定するオブジェクトの数や、開始点と終了点の設定数に応じて、アニメーションの滑らかさが決まります。

近年では3DCGが発達しており、3Dにモーションをつけて、最後にセルアニメーションっぽくする加工をしてアニメーションを作るケースも多くなってきています。

パワーポイントのアニメーション機能は、後者の「モーションアニメ」に分類されます。オブジェクトに対してあらかじめ用意されたアニメーションを設定するか、移動の軌跡を指定するという仕組みです。


パワーポイントが得意なこと


大きなモニター画面の中でグラフが立ち上がり、光の玉が矢印軌跡を描いてアイコン間を移動し、テキストがバウンドして登場する。画面の縁から飛び出すほどのエネルギー感。AIキャラクターが目を輝かせて親指を立てている。
パワーポイントが得意なこと

パワーポイントのアニメーション機能は「限定的な動きが設定可能なモーションアニメ」になります。

パワーポイントではオブジェクト(図形や文字)に対して開始点と終了点の状態(キーフレーム)を事前に準備されたアニメーションから選ぶという手法をとっています。そのため、事前に準備されていないアニメーションは作れません。

ただ、図のようなアニメーションの設定以外にも、オブジェクトを移動させる(軌跡を指定する)ことは数十種類のテンプレートを選ぶことも可能ですし、自由軌跡に指定することも可能です。(これらで設定するアニメーションを、便宜的に「オブジェクトアニメーション」とします。)


Powerpoint2016のアニメーション設定画面
Powerpoint2016のアニメーション設定画面

また、パワーポイントでは画面の切り替え時にアニメーションを設定することも可能です。動画制作でいうと「トランジション」という、シーンごとのつなぎ方の設定です。この準備されたオブジェクトアニメーションとトランジションをうまく活用することでパワーポイントのアニメーションを作成することがきます。


Powerpoint2016の画面切替アニメーション設定画面
Powerpoint2016の画面切替アニメーション設定画面


軌跡・回転を使う

PPT事例1:リモートセンシングを使ったソーラーパネルメンテナンス

光の玉が各要素をつないで移動するような、情報の流れを見せるアニメーション。軌跡と回転の設定を組み合わせることで、複数の要素が連動しているように見せられます。


準備された設定アニメーションを使う

PPT事例2:事業紹介用のプレゼンテーション

バウンド、パルス、拡大縮小といったプリセットのアニメーションを重ねることで、視聴者の視線を誘導したり、ポイントを強調したりできます。


オブジェクトの重ね合わせを使う

PPT事例3:事業紹介用のプレゼンテーション

グラフを下から立ち上がらせたり、テロップの背景を時間差で出現させたりといった演出は、「アニメーション」をほぼ使わなくても、オブジェクトの表示タイミングだけで実現できます。

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世界のパワーポイント職人が示した可能性


深夜の作業部屋で職人キャラクターが大型モニターに向かっている斜め後ろ姿。画面にはアニメーション設定がびっしり並び、モニターの上部から光とともに芸術的な映像(竜のシルエット、水の揺らめき)が溢れ出している。
世界のパワーポイント職人が示した可能性

どんな制作物でもそうですが、クリエイターの技術力だけでなく費用と時間をかけることで、ものすごい作品を作ることができます。下記の事例は、パワーポイントの機能をいかんなく発揮し、一つの映像作品ともいえるものになっているものをご紹介します。

機能をどう組み合わせるか、またオブジェクトをどうやって細かく分けるかなどを工夫することで、普段使いのパワーポイントにもちょっとした驚きを与えることが可能になります。職人技ともいえるパワーポイントのアニメーション。ぜひ参考にしてみてください。


パワーポイントでロータリーエンジン

こちらの作品は、パワーポイントのオートシェイプ機能を活用して、「スピン」という単純な動きだけでシンプルにロータリーエンジンのメカニズムを表現しています。

単純な「スピン」のアクションだけを設定しているように見えますが、前述のようにパワーポイントの「スピン」は回転の軸となる点を任意に設定できないため、透明なオブジェクトなどを組み合わせて回転の軸を調整する必要があります。ロータリーエンジンの描写も含めて、パワーポイントのアニメーションの設定で非常に高度な設定がなされている作品です。


Transitory Nature

動かすオブジェクト自体は非常にシンプルなシルエットですが、オブジェクトそれぞれに個別に設定された膨大なアニメーションにより、「自然のはかなさ」を表現した芸術作品に仕上がっています。

パワーポイントに登録されているほぼすべてのアニメーションエフェクトをまさに「フル活用」し、1200を超えるアニメーション設定により、2分を超える超大作になっています。

後半の水の揺らめきの表現にランダムストライプを使うなど、随所で想像もしないようなアニメーション設定がなされていたり、同じ形状のオブジェクトを時間差で動かすことで「竜」が空を滑らかに飛ぶ表現を行っていたりと、それぞれが計算しつくされた緻密な設定がなされています。


パラパラ漫画ムービー

こちらの作品はタイトルにある通り、「パラパラ漫画」として静止画を連続的に見せる手法で作られています。

厳密にいえばパワーポイントのアニメーション機能はあまり活用されておらず1150ページのスライドを連続的に切り替えるアニメーションです。前述の「人が歩くアニメーション」をもっと緻密にしたものです。

1150枚のスライドは、パワーポイントのフリーハンドのオートシェイブを活用して作られており細かい動きをオートシェイプの編集を組み合わせて作っている力作に仕上がっています。

これらは「ツールの限界を知ったうえで、限界ぎりぎりを攻める」職人技の世界です。


「人を歩かせる」はパワーポイントの苦手分野だった


パワーポイントの画面上でキャラクターの手足パーツが7コマに分解されてバラバラに浮いている。関節の支点がずれてうまくつながらず、キャラクターが困った表情で「?」の吹き出し。パズルが合わない焦りの構図。
「人を歩かせる」はパワーポイントの苦手分野だった

パワーポイントのモーションアニメには、2つの構造的な制約があります。

  • 支点を任意に設定して回転させることができない
  • 複数のオブジェクトを連動させることができない

人が歩く動きは、太ももが動いたことに連動して脛が動く、という「関節の連動」が必要です。パワーポイントではこれを自動化する手段がないため、モーションアニメで歩行を表現することは構造上できません。

代わりに、パラパラ漫画方式であれば歩行表現は可能です。手・足の動きを7コマに分解してスライドを切り替えることで、歩いているように見せることができます。


人が歩くGIFアニメーション(パワーポイントで作成)
本来の歩きの動作は胴体の重心も変化しますが、パワーポイントで実現するのは困難です。

パーツを7つの動きに分けたパワーポイントの設定画面
パーツを7つの動きに分けたパワーポイントの設定画面

このパラパラ漫画アプローチには現実的な限界があるということです。そのうえで、7コマ分の図形をパワーポイントで手作業で調整するのは根気のいる作業です。これ以上の滑らかさを求めると、アニメーターに依頼するほうが早いというレベルになってきます。


今は「AIで動きを生成して貼り付ける」という選択肢がある


AIロボットキャラクターが「生成」ボタンを押すと滑らかに歩くアニメキャラクターが光とともに出現し、それをスライド画面にドラッグして貼り付けるシンプルな操作感。「あっという間にできた」という驚きと解放感のある構図。
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ここで登場するのが、生成AIという新しいアプローチです。

現在の生成AIツールは、テキストや静止画を入力するだけで、キャラクターが自然に歩いたり動いたりする映像を生成できるところまで来ています。パワーポイントで7コマ分のパーツを手作業で組み上げる代わりに、AIで生成した映像をスライドに貼り付けるだけで、人物が滑らかに動くシーンを実現できます。

また、「ループ動画」という使い方も広がっています。数秒の短いシーンをAIで生成し、繰り返し再生させる形でスライドに組み込む手法です。人物が歩き続けるシーン、機械が稼働し続けるシーン、街の風景が流れ続けるシーンなど、プレゼンの「背景として動き続ける映像」として機能します。静止画より印象に残り、本格的な動画を作るほどではないという用途に向いています。

これはパワーポイントのアニメーション機能を置き換えるものではありません。「情報の流れを図解で見せる」「データや要素を強調する」といった用途は引き続きパワーポイントが得意な領域です。AIが加わることで、「キャラクターや人物を自然に動かしたい」「シーンとしての動きを入れたい」という、パワーポイントが苦手としてきた部分を補えるようになった、ということです。


PPTとAI、それぞれの活用場面


左右2分割の対比構図。左にPPTの図解・グラフ・矢印アニメーション群、右にAIの動くキャラクター・ループ動画アイコン群。中央に「使い分け」の両矢印プレート。どちらも輝いていて優劣なくチームとして機能している印象。
PPTとAI、それぞれの活用場面
表現したいこと 向いている方法
情報・データの流れを図解で見せる パワーポイントのアニメーション
テキストや要素を強調・演出する パワーポイントのアニメーション
人物・キャラクターを自然に動かす 生成AIで作成→PPTに貼り付け
背景や雰囲気をループ動画で演出する 生成AIで作成→PPTに貼り付け
業務シーンや手順をキャラクターで説明する 生成AIで作成→PPTに貼り付け

プレゼンや研修資料に「動くシーン」を入れたいとき、今はパワーポイントの職人技だけが選択肢ではなくなっています。AIで作った映像をスライドに組み込む、というシンプルなやり方が、制作コストをおさえながら表現の幅を広げる手段として現実的な選択肢になってきました。

「プレゼン資料の一部シーンをAI動画・ループ動画にしたい」というご要望にも対応しています。お気軽にご相談ください。

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