【AIだけでビジネス動画を作れるか?】スマービーニュース2024年11月前半号

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スマービーニュースでは海外の動画マーケティングトピックスを中心に動画ニュースを配信。
動画を使ったマーケティング手法や、生成AIを活用した動画のトレンドなどを案内する予定です。

このシリーズでは生成AIを活用してどこまで動画はオートメーション化できるのかを裏テーマとして動画におけるAI活用の可能性を模索していきたいと思っています。とはいいつつも、「動画をつくるだけ」であればかなりの部分をオートメーション化できるのが2024年下半期の状況です。

しかし、動画制作会社としては「商用クオリティに引き上げ」「AIであることを気づかせない」というところまでチャレンジしたいと考えています。毎回、新たな手法や新しいムーブメントをキャッチップしながら、制作時間の短縮とクオリティのバランスを模索し続けていこうと思います。

取り上げた記事について

今回取り上げたのはWistiaの10月2日の記事Tubular Labの10月17日の記事です。

Wistiaの記事では、メールマーケティングにおける動画の効果についてまとめています。

リードナーチャリングによる見込み顧客の育成において「メール」という連絡手段はまだまだ有用です。少しでも開封率やクリックレートを上げていくために「動画の埋め込み」というのは重要といえます。この記事では「動画をメールマーケティングに活用することにより、開封率が 19%、クリックスルー率が 65% 向上し、登録解除が 26% 削減されます。」とされています。

今回のスマービーニュースはこの記事がきっかけで再開した施策でもあったりするのです。

 

 

またTubular Labの記事では、生成AIが動画分野でどのように活用され始めているかのまとめ記事をピックアップしています。

ここ1年でYoutubeやTiktokをはじめとしたSNSでの生成AIによる動画はかなり見かけるようになっています。実際、AI生成によるダンス動画が6月にはTikTokで1億6,950万回の再生回数、AIで生成された猫動画がクロスプラットフォームで驚異的な90億回の視聴回数を記録しており、AIは技術的な面白さの領域から、視聴者に「動画を感情的面白い」と感じさせるレベルまで技術レベルが引き上がっています。

使ったツール

今回のスマービーニュースで使ったツールをご紹介します。公開にあたっていくつかのテストは行っているため、今回の動画の実際の制作時間としては2~3時間程度ですが、同じレベルで量産体制に入った場合、おそらく30分程度で1本が制作できる印象です。

工程ツール今回の作業時間備考
ネタ出しChatGPT30~1時間程度該当期間の海外記事をピックアップさせて、人力でソース調査。フェイク情報を取り除いてピックアップ記事を確定するのは人力。
ナレーション台本ChatGPT30分程度ピックアップ記事から各20-30秒尺になるように台本提案と壁打ち。最終的には人力で微調整。
画像選定Vrew~5分1枚目以外はAIまかせ
動画化Vrew15分程度チャプタータイトルのみ装飾作業を実施。次回以降はテンプレート化。
ナレーションVrew10分程度2、3箇所のイントネーションのみ人力修正
BGMVrew~5分AI任せ
サムネイルマンパワー10分程度過去の制作画像のテキスト修正作業

今回は初回ということで最も手軽にできる動画パターンで動画を生成しています。

ChatGPT:ネタ出し、台本

実務では簡単な調査レベルでChatGPTを活用している方も多くいると思います。特に海外の記事や論文等のピックアップなどは非常に有効と言えます。ただし、偽情報やフェイク情報も多く「情報ソースの確認」とピックアップ後の内容精査はまだまだAI任せにするのは難しいというのが現状です。台本については、そのネタからソースも内容も確認できた2つの記事をChatGPTにより要約してもらっています。ただし最終的には細部の言い回しやニュアンスなどは動画ナレーション的でないものも含まれるため、多少の手直しをしています。

 

Vrew:画像選定、動画化、ナレーション、BGM

私達も実務で仮ナレーションを入れるときなどに活用しはじめたVrewという動画生成AIツールを活用しています。
動画ナレーションをお聞きいただくとわかると思いますが、かなり自然なイントネーションを実現しています。
ほとんどチューニングはしておらず、AI自体が非常に高い精度で日本語を自動音声化しているといえます。
また、画像選定やBGMもこのVrewという動画生成ツールに任せています。

もちろん「AIが作った画像だな」と一瞬でわかる画像のため、この画像部分はもう少し工夫がいると考えています。動画化自体もVrewにまかせていますが、正直単調になってしまっているため、1分を超えてくると視聴的には厳しいものと予想されます。また、チャプタータイトルだけはこちらで少し手を加えています。

 

人力作業:サムネイル

ここについては完全に既存の画像を活用しています。プロンプトによる画像生成はシーンごとの統一性や再現性を担保することが難しく、ブランドロゴの適切な利用や継続的な施策での統一テーマをAIのみで作るのはもう少し時間がかかりそうなため、当面はマンパワーによる制作が必要であると考えています。