企業理念を伝えたい!社内イベントでの動画活用のススメ

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インナーブランディングやコーポレートブランディング施策の一つとして、最近改めて見直され始めている「社内イベント」。社員総会、周年式典、セールスコンテスト、プロジェクトキックオフ、入社式など、日々様々な社内イベントが行われています。

それに伴い、イベントを彩る映像演出や社史などの映像化など、近年ますますイベントでの動画活用事例が増えてきています。

しかしながら、これらの多くはオープニングVTRに象徴されるように、高揚感を煽るようなイベント自体の演出的な役割がほとんどであり、あくまでもイベントの補足的な役割を担うという使われ方が大半です。

今回は、本来社内イベントにおいて、動画をどのように活用すべきかについて考えていきたいと思います。

社内イベントは何のために行われるのか

そもそも社内イベントは、どのような目的で行われているのでしょうか。

2013年に株式会社ジェイティービーモチベーションズ ワーク・モチベーション研究所が経営者148人を対象とした調査によると、社内イベントの実施目的として重視する事柄として、「経営トップ層が社員に直接語り掛けること(76%)」「社員全員が同じ場所に集まること(62%)」などが上位に挙げられています。

イベントの期待効果と重視のポイント

イベントの期待効果と重視のポイント

また経営層が社内イベントに期待する効果としては、
 1位:社内コミュニケーションの促進(94%)
 2位:組織の一体感の醸成(93%)
 3位:社員のモチベーション向上(87%)
 4位:組織の理念やビジョンの浸透(85%)
などが上位にランクしています。

つまり、社内イベントでは「経営トップ自らが企業理念や文化、考え方を社員や従業員に対して伝える」ということが重要であると言えます。

参考サイト:経営者148人に聞いた社内イベントの効果とは
      経営者 148 人に聞いた 社内イベントの効果に関する調査




理念浸透のメカニズムと社内イベントが見直されている理由

経営トップが語り掛ける内容としては、方針やビジョン、理念など様々ですが、多くの場合は「企業理念」に基づいたものです。

組織文化の分野の研究者であるエドガー・シャインは、著書「組織文化とリーダーシップ(1985)」の中で、「企業理念の浸透」には大きく2つのメカニズムが存在するとしています。

1つ目は、企業トップが自ら伝える「1次的浸透メカニズム」。2つ目はそれらの理念に基づき体現化された企業の制度・システム、様々なデザインなどを通じて伝える「2次的浸透メカニズム」です。

1次浸透メカニズムと2次浸透メカニズム

1次浸透メカニズムと2次浸透メカニズム

いうまでもなく、企業トップが直接語りかける1次的浸透メカニズムは、理念浸透において非常に有効な手段です。しかし、企業のトップが社員全員に対して個々に語り掛けることは、時間やコストの面において困難が伴います。

また、2次的浸透メカニズムにおいても、時間の経過や社員数の増大などにより、コンセプトや背景などを事細かに設定した制度・システム・デザインが風化していくことが考えられます。

一長一短に見えるこの2つのメカニズムですが、その後、エドガー・ヘンリー・シャインの研究を補完する様々な実証研究により、2次的浸透メカニズムは、あくまで1次的浸透メカニズムを補完する役割であり、浸透活動において真に重要なのは1次浸透メカニズムであることが主張されています。

このように、近年社内イベントが見直されている理由は、企業理念の浸透により有効なアプローチである「1次的浸透メカニズム」を期待しているから、とも言えるのです。


社内イベントにおける映像の役割

さて、このように社内イベントが「経営理念の浸透」や「経営層のメッセージの浸透」が目的である場合、動画というツールはどのような役割が考えられるでしょうか。

そもそも、動画というツールは、「メッセージの再現性の高さ」や「伝播性の高さ」などの特徴があります。動画というツールをうまく活用することにより、経営理念や経営層のメッセージを、他のツールに比べ、1次浸透メカニズムに近い形で伝達することを可能にします。

つまり、社内イベントにおいて動画を活用する際は、高揚感を煽るようなイベント演出の補足的な役割を持たせるだけでなく、トップのインタビューやイベントでの挨拶、会社の理念の映像化と配信などを同時に検討することで、1次浸透メカニズムを補完することができるのです。


企業理念の浸透を目的とした動画事例

社内イベントにおける映像の多くは、機密情報が含まれることもあり、あまり表には出てきません。そこで今回は、社員だけでなく様々なステークホルダーに向けて企業自体の考え方を発信している、3つの周年記念動画の事例をご紹介します。

IBM

IBMのビジョンである「C3(Change-Challenge-Creation)」。IBMでは2011年の設立100年の節目に当たり、100年間で行われた「変革」「挑戦」「創造」に該当するイノベーションの歴史と今後IBMがどのようにあり続けるかを映像で表現しています。



本田技研工業

「Power of Dream」のコピーで知られる本田技研工業。こちらは2013年に設立65周年を迎え、その記念CMとしてイギリスで公開された映像です。イノベーティブな製品を作り続けるホンダでも、ある日突然夢のような製品を作っているのではなく、日々の努力から生み出される製品を母体として、日々進化し、徐々に夢のある製品になっていくのだ、ということを表現しています。


Apple

2016年4月に40周年を迎えたApple。Appleを象徴するような105個のキーワードとシンボルだけで構成された40秒の映像。4月に行われたイベント用に作られたこのシンプルなアニメーションは、コアなAppleファンに向けて、たった40秒の間にアイデア、文化、技術革新といったAppleらしいメッセージを凝縮しています。





まとめ

これらの映像に共通しているのは、何を伝えるのか、ということもさることながら、「企業らしさ」を映像で表現することを意識しているということです。

経営トップが経営理念を直接語り掛ける「1次的浸透メカニズム」に近しい効果を映像で実現するためには、この「企業らしさ」が非常に重要なポイントとなります。

次回はこれらを踏まえて、社内イベントで活用する映像の企画・制作のポイントについて説明したいと思います。


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著者について

せっきー

2016年、無事にMBAを取得。研究テーマは「中小企業の質的成長と量的成長」。 カメラ、スイッチャー、リグ・・・、動画撮影に関わるハードウェアを愛してやまないバツイチ。