もう迷わない!アニメと実写を選ぶ6つの判断ポイント

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ビジネスシーンにおいて動画を制作したいと思った時、一番最初に悩むポイントの一つに「実写かアニメか」という制作手法の選択があります。今回は実写・アニメそれぞれ「表現の得意不得意」「どのように費用の差が生まれるのか」という点から制作手法をどう選択すべきかを2回にわたって考察していきたいと思います。

アニメは「架空の創作物」。実写は「実在する被写体」。


ごく当たり前ではありますが、アニメは「架空の創作物」です。ひとえに、アニメーション動画といっても、原画から動画を起こし1枚絵の連続で表現する従来型のアニメーション制作や、オブジェクトと呼ばれるイラストデータを作成し、開始点と終了点の動きを設定するキーフレームアニメーション制作など、アニメーションの制作においてもいくつかの手法が存在しますが、いずれの手法においても、アニメーションはあくまでも「架空の存在」を表現するものです。

一方実写でも、ストーリーに沿って登場人物に演じてもらうドラマ形式や、テーマに沿ってストーリーを組み立てていくドキュメンタリー形式、テーマに対してクイズ・解説・ディスカッションなどを織り交ぜていく番組形式など、様々な手法があります。しかし、いずれの場合においても、実写は「実在する被写体が存在する」ことが前提となっています。

この当たり前ともいえる違いにより、それぞれの制作手法において「得意」「不得意」が発生します。


アニメーション動画が得意なところ

現実には無しえない表現

アニメーションでは、現実には存在しない架空の生き物や物体を映像化したり、空を飛ぶ・壁を歩きまわるといった物理法則を無視した表現、数字や量・時間など概念的な情報をグラフィック化するなど、実写では不可能な映像表現が可能なのがアニメーションの利点です。

アニメは架空の存在の表現が得意

実写では困難な表現もアニメーションでは簡単に表現できます。


イメージが固定化されにくい

人物や場所などを実写で表現したばあい、ペルソナや利用シーンが固定化されてしまう恐れがあります。アニメーションでは、それらを抽象的に表現することが可能となるため、視聴対象を絞り込めない場合や、幅広いターゲット層を想定した場合には、利用がしやすいのが特徴です。

アニメはイメージの固定化が避けられます。

アニメーションでは人種や年齢、関係性などを固定化させずに表現することができます。


修正や変更がしやすい

キャラクター(登場人物)等の動きを変更する、シーンを追加するなどの場合、実写では再度撮影しなくてはならないケースが発生します。一方、アニメーションでは、その変更シーンにあわせて作り変えることが容易なため、テーマとなるサービスや商品の仕様変更や、視聴動向を踏まえての修正がしやすく、動画の転用を行う場合にも容易にカスタマイズが可能です。

アニメは修正が容易

色や形状、動き方などのカスタマイズが容易なのもアニメーションの特徴です。



アニメーション動画が不得意なところ


感情表現が得意ではない

架空のキャラクターを創作することにより、共感を促すようなコンテンツを想定した場合には、感情移入されにくい傾向があります。そのため、感情を表現する場合にはキャラクターの表情だけでなく、その感情に至った背景をストーリー全体で表現する必要があります。

事実を伝えること

アニメーションでは様々な表現が可能な反面、すべての架空の状況となるため、リアリティを伝えたり、事実を伝えることには不向きな傾向があります。


実写動画が得意なところ


情緒表現が得意

役者を使ってのドラマ型式による感情表現や製品サービスを使った人の体験談や感想など、アニメーションに比べ、感情や情緒的な表現が容易です。そのため、共感を促すようなコンテンツを想定した場合には、実写のほうが効果が高い傾向があります。

実写は情緒表現が得意

季節感、シチュエーション、表情や声色など感情や情緒を伝えるのは実写の得意分野


形状や質感、事実を伝えることができる

製品・商品・人物・風景・施設、起きた事象、出演者によるレポートなど、映像自体が「事実」を伝えることになるため、信頼性・説得力が高まります。

有形の被写体がある場合には実写が有利

人物、風景、物体などの質感や雰囲気などをありのままに伝えられるのは実写だけ!



実写動画が不得意なところ


修正や変更の対応に限界がある

撮影収録後、ナレーション収録後、などタイミングに応じて修正可能な範囲に制限が発生します。そのため、動画を転用したり、変更を前提とする場合には、台本制作・撮影計画の確定前から事前に設計しておく必要があります。

無形商材の場合、表現がしにくい

無形商材(サービス)等、テーマや被写体が明確でない場合や、概念的な情報などをテーマにする場合、代替的に「人」へフォーカスするなど、シナリオ上の表現を工夫する必要があります。多くの場合には、CGアニメーションを組み合わせたり、テロップ等で補うなどの手法が必要となります。


実写とアニメを選択する判断ポイント


これらの表現上の特性をまとめていくと、動画で表現したい内容によって以下のように判断を絞ることができます。

1.視聴対象が明確かどうか

消費者向けのサービスのみならず、法人向けにおいても「決裁者」と「担当者」など誰向けに映像を制作するべきかがが決まり切らない場合や、新規事業などの場合には、アニメーションでの表現をおススメしています。また、人物ターゲットを絞らない動画広告などでもアニメーションはおススメです。

一方で、視聴対象が明確な場合には、ペルソナを表現しやすいキャスティングをすることで、視聴者に共感しやすい、感情移入しやすい環境を作ることが可能になります。ドラマのような設定に限らず、体験インタビューやドキュメンタリーにおいても、感情移入は発生します。

2.事前に動画の活用・転用範囲がイメージできているかどうか

修正やカスタマイズがしやすいアニメーション動画では、複数パターンでの広告テストやグローバル展開を前提として多言語化することを想定している場合などはトータルのコストで考えた場合に割安になりやすいです。しかしながら、事前に利活用の範囲をイメージできているのであれば、実写においても、それらのカスタマイズを織り込んだ制作を行うことが可能です。そのため、制作前に十分な検討を行うことで、実写とアニメーションのカスタマイズ性の差は埋めることが可能になります。

3.主題となる明確な被写体が存在するかどうか

商品・製品・観光地・施設・人物など、主題とする被写体が明確に存在する場合には、実写でなくては伝えられないという場合もあります。この場合には、アニメーションではカバーしきれないケースが多くあります。

4.表現したいものが「機能便益」なのか「情緒便益・自己表現便益」なのか。

アニメーションでは様々な状況やシチュエーションを容易に表現できます。シーンに応じての機能の表現や、その機能により得られる価値の表現などが明確である場合には、アニメーションでの動画制作はおススメです。一方で、実写では商品の質感や雰囲気などを伝えることが容易であり、サービス・製品を使った時に「どう思うか」や、それを身に着けたり使っていること自体がステータスであるような製品・サービスなどでは、実写のもつ感情表現の得意さも相まって、効果的に表現することが可能です。

5.仕組みや原理、構造といったものを表現したい。

実写で表現する場合には、実験施設を活用したり、特殊なセンサーを持った機材を手配して表現することは可能ですが、原理的な面は伝えづらく、CGアニメーションなどを用いて表現するケースが多くなります。

6.信頼性や説得力といったメッセージを伝えたい

「匿名的」なアニメーションに対して、「実名的」な実写では、映像のメッセージにリアリティが付加されるため説得力が増します。これらを表現でアニメーションを選択する場合には、シナリオでの工夫が必要になります。

このように、ビジネスシーンで動画を活用したいといった場合には、ビジネス上の目的からある程度、制作の手法を絞り込むことが可能となります。
一方でビジネスシーンでの場合に必ずついて回るのは「製作費用」です。次回はこれらの表現上の特性を踏まえたうえで、アニメと実写での「費用面での違い」を考察したいと思います。


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著者について

せっきー

2016年、無事にMBAを取得。研究テーマは「中小企業の質的成長と量的成長」。 カメラ、スイッチャー、リグ・・・、動画撮影に関わるハードウェアを愛してやまないバツイチ。